【無線LAN】Wi-Fi中継器のおすすめ15選｜デメリットは？【効果ない？】

ご家庭に固定回線を導入し、無線ルーターを使用している人の中には、「この部屋は電波の入りが悪い」と感じた経験のある人もいますよね。無線電波(Wi-Fi)は障害物に弱く、ルーターとの距離が長くなればなるほど、電波は弱く入りが悪くなります

たとえば、1階にルーターを設置し、2階の奥の部屋でWi-Fi接続をするとどうも接続性が悪い…それは「距離」や「障害物」が問題かもしれません。そんな時に使用されるのがWi-Fi中継機です。

しかしWi-Fi中継機は使い方を間違えると効果がありません。この記事では、そんなWi-Fi中継機のメリットやデメリットと使い方・選び方やおすすめ商品についてご解説します！

Wi-Fi中継機とは、Wi-Fiルーターから出る電波を安定させるための機械です。Wi-Fiルーターとパソコンやスマホなどのデバイスの間に設置するもので、Wi-Fiルーターから距離があって電波が安定しない場合などに使用します。Wi-Fi中継機単体では使用できないので、注意してください。

たとえば、1階リビングにあるWi-Fiルーターの電波が2階の自室に届かない場合、階段などの中間地点にWi-Fi中継機を設置すると安定した電波を自室まで届けてくれます。安定した電波は、インターネットの接続・動画の視聴・データのダウンロードやアップロードなどの速度維持に欠かせません。

同じような呼び方の機能に「アクセスポイント」があります。このアクセスポイントとは「有線LANと無線LANを相互に変換」する機能のことで、本来はモデムや有線LANルーターに接続していました。そしてこの機能が標準で搭載されたものが「Wi-Fi(無線)LANルーター」です。

わかりやすく言うと、電波を有線と無線で変換するための機能で、中継機とは「中継」の意味が違います。たとえば、ルーター2台を接続する時などに、片方をアクセスポイントモードにするような使い方がされています。

Wi-Fi中継機とWi-Fiルーターも役割がまったく違う機器です。「ルーター(RT)」とは「複数機器をインターネットに接続する機能」のことで、ルーターなしの「モデム」ではデバイス1台のみしか接続できません。そのルーターにWi-Fi機能が足されたものが「Wi-Fiルーター」です。

ただし、Wi-Fiルーターはほとんどの機種が中継機モード(WBモード)を搭載しており、中継機としても使用できます。これも誤解を生みやすい原因ですが、基本的に役割・使い方は全く違います。

ここまで説明してきた通り、Wi-Fi中継器を使うことで得られる効果がWi-Fi通信の範囲拡大です。親機と使用デバイスの中間に設置して、従来よりも広いWi-Fi範囲が実現します。

たとえば、2階戸建てで1階に親機がある場合は2階にWi-Fi中継器を設置すれば、2階の個室でも通信速度が遅くならず快適に無線通信が可能です。

Wi-Fi中継器は1台2,000~4,000円と低価格のため、Wi-Fiの範囲を広げようと思った時に、非常にコスパよくWi-Fi環境を改善できます。同様に電波を広げる機器に「メッシュWi-Fiルーター」がありますが、こちらは1台10,000円と高額で、しかも同ルーター間でなければ効果がありません。

今あるWi-Fi環境の範囲をそのまま広げたいならは、Wi-Fi中継機が一番安く簡単な選択肢です。

Wi-Fi中継器はWi-Fiルーターと一つの周波数帯(2.4GHz or 5GHz)を使用すると、電波が2分されるため通信速度が遅くなるデメリットがあります。そのため、同じ周波数帯で送受信することは推奨されません。

しかし、解決策として「同時デュアルバンド接続」対応機器を使えば、通信速度を落とすことなくWi-Fi接続が可能です。通信に影響を与える部分なので、Wi-Fi中継器を選ぶときは「同時デュアルバンド接続」に対応してあるものを選ぶと失敗しなくて済みます。

この時に、非常に似た単語として「デュアルバンド切り替え」機能がありますが、これは該当機能ではないため速度が低下します。「切り替え」ではなく「同時接続」を選ぶことが非常に重要になります。

Wi-Fi中継器は設置場所によって効果を得られないこともあります。たとえば、遮蔽物が多い場所や親機と離れた奥まった場所に設置すると、返って通信速度が遅くなってしまうケースも。

Wi-Fi電波は遮蔽物があると電波が遮られてデバイスまで届かないので、Wi-Fi中継器を設置する場合は置き場所に注意が必要です。Wi-Fi中継器の効果的な設置場所については、記事後半で解説します。

電波の範囲を広げようと思った時に、「中継機」と「無線ルーターのアクセスポイントモード」とどちらを使えばいいのか悩みますよね。これは、それぞれ以下のような状態になります。

このようになるため、Wi-Fiルーターで電波を発しながら、2台目Wi-FiルーターをAPモードで運用するのは、ほとんどの場合で現実的ではありません。余程のことがない限りは中継機での範囲拡大がおすすめです。

Wi-Fi中継機を導入しよう…と思う前に、購入するのは「Wi-Fi中継機でいいのかどうか」を先に整理してください。たとえば、ルーター自体が5年前製造など古いものは、中継機を使用しても電波が安定しない可能性があります。

また、ルーター自体も中継機の役割を果たす「中継機モード(WB)」に対応している機種が多いです。このことから、中継機を買い足すよりも、最新の無線ルーターを購入して「既存ルーターを中継機」にするのも一つの方法です。

Wi-Fi中継器を選ぶときは親機に対応した通信規格を選ぶことが大切です。Wi-Fiは2.4GHz帯と5GHz帯に分かれています。たとえば親機が2.4GHzだけ対応している場合、Wi-Fi中継器も2.4GHz通信規格でなければ正しい通信が行えません。

また、Wi-Fiの通信速度は通信速度が遅い下位規格に合わせられるため、親機と同等かそれ以上の性能を持つWi-Fi中継器を選ぶようにしてください。

たとえば親機がエレコム製のWi-Fiルーターだから、中継機もエレコム製でなければいけない…などはありません。中継機はWi-Fiの規格が同じであれば、メーカーは関係なく使用可能です。

安定した通信環境を整えたい人におすすめなのが有線接続ができる有線LANポートです。Wi-Fi中継器に有線LANポートがあれば、ゲーム機・パソコン・テレビなどと中継器を有線でつなぐだけで高速通信ができます。

また、親機からデバイスまで離れている場合にも有線LANポート付きの中継器は役立ちます。親機にLANケーブルを引く必要がなく中継器にLANケーブルをつなげばいいので、配線も短く済み便利です。

据え置きタイプは置き場所を変えやすいメリットがあります。設置予定だった場所に置いてもWi-Fi通信環境の改善ができなかったときは簡単に場所を変えられるので便利です。また、コンセントから離れた場所でも設置ができるので、場所に制限がかからないのが強みになります。

ただし、据え置きタイプはケーブルが邪魔になりやすいデメリットがあるため、置き場所によってはインテリアの邪魔になることもあるので注意が必要です。

コンセントタイプはコンセントに直挿しで設置します。省スペースでほかの家具やインテリアの邪魔にならない点が強みです。注意点として、コンセントタイプのWi-Fi中継器は空きコンセントにしか設置できないので置き場所が固定化されます。

また、Wi-Fi中継器のサイズによっては、ほかのコンセントの空きも使用不可となってしまうので注意してください。コンセントの空きが少ない場合は小型のWi-Fi中継器がおすすめです。

デュアルバンド同時接続があれば、Wi-Fiの2.4GHz帯と5GHz帯の両方の周波数帯を使用できて、通信速度も落ちることはありません。そのため、もし親機が2.4GHz帯と5GHz帯の両方に対応しているのなら、デュアルバンド対応のWi-Fi中継器がおすすめです。

ビームフォーミング機能とは、パソコンやスマホなどデバイスの位置を特定して、Wi-Fiを集中的に飛ばす機能です。「Wi-Fiルーターから距離がある」「壁などの障害物が多い」などの環境下でも、安定した電波を受信できます。

ただし、ビームフォーミング機能は、ビームフォーミング対応のデバイスにしか効果がありません。購入する前に、手持ちのデバイスがビームフォーミングに対応しているか確認しておきましょう。

パソコン・スマホ・タブレット・ゲーム機など、複数のデバイスを同時に使用する機会が多い場合は、MU-MIMO機能付きのWi-Fi中継機をおすすめします。MU-MIMO機能とは、複数デバイスが同時通信する際の速度低下を防いでくれる通信技術です。

従来の方法だと複数デバイスの通信を順番に行うため、通信速度の低下に繋がっていました。しかし、MU-MIMO機能は同時通信しても速度が低下しにくいので、それぞれのデバイスを快適に使用できます。

WPS対応のモデルなら、ボタン1つでWi-Fi接続設定ができるので便利です。Wi-Fi接続する際はSSIDとパスワードを入力する必要がありますが、WPSを使えば難しい設定は必要ありません。ただし、注意点として親機がWPSに対応していない場合は、Wi-Fi中継器でも使えないので気を付けてください。

エレコムはネットワーク機器を取り扱う会社で、広範囲に電波を届ける機種が多いのが特徴です。コンパクトサイズのWi-Fi中継器を取り扱っているので、設置場所も省スペースで済みます。また、Wi-Fi6・Wi-Fi5・Wi-Fi4などさまざまな無線LAN規格に対応しているので、親機に対応したWi-Fi中継器が見つけやすいです。

バッファローはスイッチングハブやルーターなどPC周辺機器を取り扱う会社で、据え置きタイプとコンセントタイプの両方のWi-Fi中継器を提供しています。テレワーク環境を整える周辺機器も取り扱っているので、同じメーカーで揃えたい人におすすめです。WPS機能が標準搭載されているものがほとんどなので、Wi-Fi設定の手間を減らしたい人に向いています。

TPリンクは中国深圳の会社で、メッシュWi-Fiルーターなどが有名です。中継機は「RE200」が最安で2000円を切る価格で販売されており、とりあえずすぐに使える安い中継機が欲しい人に人気。もう少し高額機種になるとデュアルバンド同時接続のハイスピードモードも使用できます。

パソコンやルーターでも有名なNECもWi-Fi中継機を発売しています。家庭用としては、今は古くからある2機種のみとなりますが、マイナーアップデートを繰り返しており、デュアルバンド同時接続も可能です。定番品で安心を得たい方にNECはおすすめです。

アイ・オー・データ機器はパソコン周辺機器やスマホなどを取り扱う総合メーカーです。Wi-Fi中継器には、上下左右360度に電波が放出できる独自のアンテナ「360コネクト」が搭載されており、電波の死角がありません。安定して使えるWi-Fi中継器を探している方におすすめです。

NETGEARとは、ネットワーク機器などを製造・販売しているアメリカのメーカーです。10ギガネット回線にも対応しているWi-Fi中継器もあり、高速回線をそのまま家全体に広げられます。価格は高めですが、高性能のWi-Fi中継器を探している方におすすめです。

Wi-Fi中継器の効果的な設置場所は、基本的に見通しがよく遮蔽物が少ない場所になります。遮蔽物がない場所に設置すれば親機からWi-Fi中継器を経由し、使用デバイスまで通信速度を落とさずにWi-Fi電波が届きます。

親機自体のWi-Fi電波が届きにくい部屋に設置してしまうと、親機の電波がWi-Fi中継器に届かないため正しい効果を得られません。Wi-Fi中継器を設置する場所は親機と離れすぎず見通しのいい場所にしましょう。

Wi-Fi中継器があれば通信速度を落とさずWi-Fi電波を強化し範囲を拡大できるので、広い戸建て住宅で暮らしている人におすすめです。無線通信デバイスが多い人や自宅にWi-Fiが届かない場所がある人は、Wi-Fi中継器を導入して自宅のネット環境を改善しましょう！