暗号化機能付きUSBメモリ12選｜Windows10でBitlockerを使う方法

USBメモリにはさまざまなデータを保存できます。資料や契約書など、仕事で使用する書類が小さなUSBメモリで持ち運べるのは便利なので、仕事で利用している方も多いです。

しかし、便利な半面、USBメモリの紛失などによる情報漏洩の危険があり、実際情報漏洩の被害多く発生しています。外に漏れては困る情報を持ち運ぶ時は、セキュリティ付きのUSBメモリを使用するのが重要です。

この記事では、USBメモリの暗号化の方法・選び方・おすすめ製品について情報をまとめました。Windows10でBitLockerを使う手順や、暗号化機能付きUSBメモリおすすめ製品なども紹介しています。便利なセキュリティ付きのUSBメモリを使用する際のメリットやデメリットをきちんと理解して、情報漏洩を防ぎましょう。

大事な資料が入ったUSBメモリを、失くしたり落としたりした経験がある方は多いです。もし、社外秘のデータが入ったUSBメモリを失くしてしまったら、そこから情報が漏れてしまいます。

落としたUSBメモリを悪用されてしまったら、個人では対処しきれないほどの被害が会社に及ぶ可能性があります。大事なデータを保存するUSBメモリには、必ずセキュリティ対策をしっかり行なってください。

USBメモリに保存する情報自体にパスワードをつけて暗号化する方法です。ワードやエクセルには、そのデータにパスワードをつけて暗号化できる「文書の保護」という機能が標準で付いています。

費用は不要で、ワードやエクセルの標準機能でできるので、とりあえず今すぐ暗号化しなければいけない時にできる簡単な方法です。しかし、セキュリティの強度としてはそれほど高くなく、データの使用時などに多少の手間がかかります。

暗号化ソフトを導入して暗号化することも可能です。その際は体験版で動作を確認したり、価格や性能などを比較したりしながら検討してみましょう。

データごとの暗号化ではなく、USBメモリ自体を暗号化する方法もあります。1つ1つの暗号化を解除する手間を省くことができ、WindowsでもMacでも標準機能で暗号化能です。

データごとの暗号化の必要がなく、USBメモリ自体に暗号化をするので、暗号化を忘れる心配がありません。ただ、暗号化に少し準備が必要なのと、OSによってはソフトウェアが必要な場合があります。

「パソコンの標準機能で対応できるといわれても難しくてよく分からない」「手間がかかることはしたくない」そんな方は、最初から暗号化機能がついているUSBメモリを使いましょう。

パスワード認証・PIN認証・指紋認証などがあり、セキュリティの強度が高く、OSやデータに何かをする必要もありません。ただデメリットとして、一般的なUSBメモリよりも値段が高い点や、あまり容量の大きいものがない点が挙げられます。

ここでは、例としてWindows10のBitLockerを使用する暗号化の方法を解説します。Windows10の標準機能で無料でできますが、使用可能なのはProfessionalエディション以上です。

BitLockerの使い方は、下記に通りです。

1. 暗号化したいUSBメモリを接続し、Home→エクスプローラー→USBメモリを右クリック。BitLockerを有効にします。
2. ウィザードが起動したら、ここでロックの解除方法を選択。パスワードかスマートカードを選びます。両方でも可。ここではパスワードを選択し、設定します。
3. 回復キーの保存場所を設定、選択し、次へ進みます。回復キーはロックが解除できなくなってしまったときに必要なので、できれば2ヵ所以上に保存しましょう。
4. 「ドライブを暗号化する範囲の選択」では、使用済みの領域のみ暗号化するのか、ドライブ全体を暗号化するのかどちらかを選択。
5. 使用する暗号化モードを選びましょう。Windows11よりも古いOSで使う可能性があるなら交換モードを選び、次へ。
6. 暗号化の開始をクリックで、暗号化スタート。

BitLockerで暗号化したUSBメモリをパソコンに接続すると、ロックがかかったアイコンが表示され、開けません。暗証番号を入力して開きましょう。回復キーの入力や自動ロック解除を有効化する場合はその他を選択します。ちなみに、BitLockerの設定はProfessionalエディションより上でないとできませんが、使用するのはそれより下のモデルでも可能です。

自分以外の誰かも使う可能性がある・最初から何人かでの使用が想定されている・自分1人しか使わないなど、USBメモリを使う状況に応じて使用可能で最適な認証方法は変わります。暗号化したUSBメモリの認証方法で選びましょう。

一般的で共有しやすいのがパスワード認証です。最も馴染みが深い認証方法といえます。大人数でそれぞれ違うパソコンで使うなど、共有することが前提の場合によく採用される方法です。

使用するのは自分だけだけど、会社と自宅とで違うパソコンで使うといった場合は、PC登録機能がついた商品もあります。ただし、アカウントごとの設定はできないので、誰かと共有しているパソコンで使用する場合は注意が必要です。

PINとは、Personal Identification Numberの略で、個人識別番号のことをいい、基本的には4桁の数字で構成されています。使用範囲の広いパスワードとは違い、PINはパソコンやスマホなどの端末や、SIMカードに使われているのが特徴です。

数字4桁ならパスワードの方が強度は強そうですが、PINは端末とも紐付けられているため、PINだけを盗まれたとしても、紐付いている端末がなければアクセスできません。

個人の指紋で認証する方法です。USBメモリにも指紋認証でログインできるものがあり、バッファローのRUF-FHS2Gという商品では、本人の拒否率は1％、他人の受理率は0.001％という精度になっています。パスワードやPINを入力するよりも簡単でセキュリティ強度も高いです。

しかし、パスワードやPINのように何度か失敗したらログインできなくなる設定はなく、指紋が認証されるまで何度でも認証確認できます。

AES256とは、暗号化のアルゴリズムのうち、256bitに対応した方式です。現在試用されているキーの長さは128bitに・192bitに・256bitに、の3種類あります。キーが長ければ長いほど暗号の解読は難しいとされているので、その中で1番長い256bitを使っているAES256を選びましょう。

選べるのであれば、自動暗号化機能が付いているものを選びましょう。自動暗号化機能とは、USBメモリ内のデータをUSBメモリが自動で暗号化してくれるものです。1度暗号化されたデータは、暗号化を解除しなければアクセスできないので、USBメモリを失くしてしまっても、情報が漏れてしまう心配はありません。

アンチウイルスソフトは、セキュリティ機能がついているUSBメモリには標準搭載されているソフトです。コンピューターウイルスを検知・除去し、ウイルス感染や情報の漏洩を防いでくれます。ただし、一般的なUSBメモリより高価な上、ウイルスパターンファイルの更新の際に費用がかかります。

USBデータの保存に不安がある方は、インストール不要のフリーソフトを利用した暗号化を行うのもおすすめです。たとえば、「QuickSecureAES256」であれば、インストール不要で、簡単にUSBメモリ内のデータを暗号化できます。反対にデータが破損してしまった場合でも、簡単に復元できます。

USBメモリの暗号化の方法・選び方・おすすめ製品をご紹介しました。普段会社で取り扱っている情報は、外に漏れたら大変な被害になってしまう機密情報がほとんどです。USBメモリのセキュリティは、難しい方法だけが確実なわけではないので、自分に合った方法で情報を守りましょう。