CPUクーラー（CPUファン）の掃除方法｜ツメの外し方は？ノートPCの場合は？

「最近パソコンの動作が悪い」「処理落ちする」「パソコン本体が熱い」とお困りではありませんか。もしかすると原因はCPUクーラーにあるかもしれません。CPUクーラー（CPUファン）はデータ処理を行うCPUの放熱をするのに役立つ冷却パーツです。

実はCPUクーラーは、定期的に掃除しないと冷却効果が落ちて故障の原因に繋がります。故障してしまうとCPUが高温のままになり、パソコンの動作が悪くなってしまう恐れも。ただ「CPUクーラーのツメの外し方は？」「水洗いは危険？」と気になる方も多いはずです。

そこで今回は、CPUクーラーの掃除方法や注意点について徹底解説します。パソコン初心者向けと玄人向けに分けて詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。パソコンの調子が悪いと感じている方は必見です。

CPUクーラー（CPUファン）とは、CPUが発熱した際に効率よく冷却を行うための装置です。CPUはデータの処理を行うパーツで、重いソフトウェアやアプリを起動すると高温になりパソコン動作に影響を与えます。

CPUクーラーを取り付けることでCPU本体が高温になるのを防ぎ、パソコンの動作を快適にします。また、CPU本体の寿命を延ばす効果も。パソコンを長く快適に使う上で必須のアイテムなので、パソコンケースにゆとりがある場合はぜひ取り付けましょう。

CPUクーラーには大きく分けて空冷式と水冷式の2種類があり、どちらにもファンが付いています。ファンが稼働して風を吸い込むため、掃除せずに使い続けているとファンにホコリが溜まります。

ホコリが溜まるとファンの稼働に影響を与え、高い冷却効果を発揮できなくなるので注意しましょう。また、ホコリが原因で出火する可能性もあります。とくに空冷式は、ファンの風をCPUに当てて冷却するので定期的に確認してホコリが溜まってきたらすぐに掃除するのがベストです。

CPUクーラーの掃除をしないと、CPUやパソコンケース内の熱を上手く放出できず高温のままになるため、パソコンが強制的にシャットダウンされることがあります。作業途中にシャットダウンしてしまうと、大切なデータが消えてしまう恐れも。また、パソコン内部にあるCPUやメモリといったパーツにも悪影響を与え、故障の原因に繋がります。

たとえ静音性の高いCPUクーラーでも、掃除をせずファンにホコリが溜まると異音が発生する場合があります。ホコリが原因のCPUファンの異音は掃除をしない限り収まりません。

稼働音が異常にうるさく感じたら、ホコリが溜まっていないかを必ず確認しましょう。掃除をしても異音が収まらない場合は、ファンの軸であるベアリングの寿命が考えられるのでファンを交換するのがおすすめです。

パソコンの部品や取り付けに詳しくない人は、パソコン内部の掃除を慎重に行う必要があります。とくに、CPUクーラーを取り外して分解掃除をするのはやめておきましょう。分解掃除は故障の原因に繋がります。ここでは、初心者向けの掃除方法を解説するので参考にしてください。

パソコン初心者はエアダスター・エアブロワーを使ってCPUクーラーのホコリを吹き飛ばしてください。エアダスター・エアブロワーなら放熱フィンの間・ファンの奥に溜まったホコリも簡単に取り除けます。

エアダスター・エアブロワーを使えば、お手入れも楽なので初心者でも安心です。エアダスターを使うときは必ずパソコンの電源を切り、エアブロワーはパーツにぶつけないように気を付けてください。

エアダスターを使ってCPUクーラーを掃除するときは、可燃性・不燃性を確認しておくのが大切です。可燃性エアダスターの場合、電気火花と反応して引火し爆発を起こす可能性もあります。そのため、可燃性・不燃性の確認を行ってください。

また、圧縮ガスを使っているのでエアダスターを使用をするときは直接吸わないように気を付けましょう。引火や出火が不安な人は不燃性のエアダスターを使うのがおすすめです。不燃性エアダスターならパソコンやAV機器にも安心して使えます。

ここからは、パソコンに詳しい玄人向けの掃除方法を解説します。はじめに、CPUクーラーの掃除にかかせない掃除用具を準備しましょう。CPUクーラーの掃除で必要なのは次の5つです。

• エアダスター・エアブロワー
• ドライバー
• マスク
• 掃除機
• 布(マイクロファイバー)

ホコリの除去やCPUクーラーの分解をするのに必要な掃除用具なので揃えておくと便利です。

PC内部の掃除を始める前に、下準備として本体の電源を切り、10分程度放置しましょう。放置する理由は、ケース内の電気を逃がすため。電源を切った直後は静電気が残っており、放電が不十分な状態で掃除すると感電・機器の損傷といったトラブルにつながります。

なお、放電の時間を利用して金属に触れ、自身の体に付いた静電気も逃がすようにしましょう。

まず、マザーボードからCPUファンのコネクタを取り外してください。CPUファンコネクタの外し方は、コネクタを指で挟んだまま上に引っ張るだけです。取り外しは簡単なので、あまり力を入れずに取り外しましょう。

次に、プッシュピンのロックを解除し引き上げてCPUクーラー本体を取り外します。1ピンずつ抜きながら外すことで壊さずに取れるので、丁寧に行いましょう。

CPUクーラーの外し方はAMD・ガレリアなど各メーカーによって異なる場合があるので、不安な場合はまず公式サイトなどで調べることをおすすめします。

CPUクーラーをマザーボードから取り外したら、CPUクーラーに付着しているグリスを丁寧に拭き取ります。グリスが付着している箇所は小さいので、ティッシュペーパーや布(マイクロファイバー)を使ってきれいにしてください。

もし、ティッシュペーパーを使って拭き取ってもグリスがきれいに取れない場合は、エタノールを使って拭き取りましょう。ただし、エタノールを拭いた後はしっかり乾燥させてください。

CPUクーラーのグリスをきれいに拭き終えたら、CPU本体からCPUファンとヒートシンクを外してください。取り外すと細かい箇所に溜まったホコリの掃除を行えます。CPUクーラーはツメで固定されているため、ドライバーを使ってツメを1つずつ外しましょう。

CPUクーラーによっては指で押すだけで取り外しも可能です。固定しているツメをすべて外すと、CPUファンとヒートシンクを分解できます。分解するときは力を入れすぎないように注意しましょう。

CPUクーラーの分解を終えたら、ヒートシンクに溜まったホコリを丁寧に取り除きましょう。ヒートシンクは狭いのでホコリが奥に溜まる場合があります。そのため、エアダスターや毛先の柔らかいブラシを使ってホコリを除去してください。

たばこを吸っている場合、CPUファンやヒートシンクにヤニが付着します。臭いが気になる方はヤニを拭き取って臭いを軽減させましょう。

CPUファンは1枚1枚に細かいホコリが溜まり、複雑な形状により掃除がしづらいです。そのため、CPUファンに溜まったホコリはエアダスターやエアブロワーを使って除去するのおすすめです。

ホコリを除去した後、布で羽の部分を拭うことでホコリを徹底的に取り除けます。羽の部分を拭くときは、力を入れず優しく拭うようにしてください。力を入れてしまうと羽の部品が壊れる可能性もあるので要注意です。

CPUファンとヒートシンクのホコリを除去した後は、CPUグリスを塗り直しましょう。CPUグリスを塗るとCPUからCPUクーラーへ熱移動が効率よく行われます。熱伝導率も高くなるので、放熱効果を高められます。

CPUグリスを別途用意する方は、コスパに優れたシリコングリスでも十分効果を発揮します。熱伝導率を高めたい場合は、シルバーグリス・ダイヤモンドグリスがおすすめです。

CPUにグリスを塗り終えたら、ヒートシンクにツメを咬ませてCPUクーラーを組み立てましょう。切れ込みにツメが合うように密着させて組み立ててください。

組み立てが甘いとヒートシンクの効果が落ち、CPUクーラーの冷却効果を発揮できなくなるので注意が必要です。元通りに組み立てたら、マザーボードに取り付けてCPUファンのコネクタを装着して分解掃除の完了です。

ノートパソコンのファンは一応掃除が可能です。ただし、ノートパソコンの中身を開けると保証対象外になるので、保障期間内である場合は開けないようにしましょう。また、メーカーによっては開けられないモデルもあるので、事前に確認しておくのがおすすめです。

【ノートパソコンのファンの掃除手順】

1. ノートパソコンの裏ブタをドライバーを使ってネジを外し開ける
2. ファンとヒートシンクを見つけて、ヒートシンクを開ける
3. ファンとヒートシンクを掃除する
4. 再度部品をもとに戻し、ネジを付けて閉める

なお、モデルによって外し方やファンの場所も異なります。

CPUファン・ヒートシンク・ラジエーターなどを分解して水洗いすることはおすすめできません。水滴によって故障する危険性もあります。中には水洗いする方もいますが、安全でない掃除方法なので行わないようにしてください。

また、分解せずに濡れた布でCPUファンを拭くのもNGです。CPUファン以外に水滴がついても気付けず、濡れたまま通電させると故障する危険があるので絶対にやめましょう。

ここでは、パソコン掃除をするときに気を付けるべき点を解説します。とくに分解掃除をする人は要チェックです。また、パソコン初心者で初めて掃除を行う方も事前に注意事項を確認しておきましょう。

CPUクーラーやメモリ、グラフィックボードなどのパーツを分解して掃除を行う場合、取り外しや取り付けを行う前に必ず放電を行ってください。パソコンパーツは静電気が弱点のため、静電気が発生しやすい服装で行うのは控えましょう。

また、パーツの分解・設置に慣れていない場合は、掃除のたびに毎回分解するのは避けてください。慣れていない人が頻繁に分解掃除を行うと故障の原因に繋がります。ただし、長年掃除をしていない場合は、メンテナンスのために分解して掃除・グリスの塗り直しを推奨します。

パソコンを購入して数年しか経っていない場合、保証内容と保証期間をあらかじめ確認しましょう。パソコン内部を触って分解や増設を行った場合、故障したときの保証が効かないことがあります。保証が効かないとメーカーに修理を出しても直せない可能性も。そのため、掃除を行う前に保証書の内容をしっかり確認してください。

CPUクーラーを定期的に掃除することで、ファンの異音を防いで高い冷却効果を得ることが可能です。冷却効果が続けばCPUの熱暴走も起こらず、高いパフォーマンスでパソコン作業を行えます。パソコン本来の性能を発揮するためにも、こまめにエアダスターやブロワーを使ってCPUクーラーのホコリ対策をしましょう。