2TBのSDカードは存在する？｜最大容量・価格・microSDとの違いも

パソコンやスマホのデータをバックアップする際には、さまざまな外部記憶装置が用いられます。その中の1つが「SDカード」です。SDカードは小型・軽量の薄いカードに大容量のデータが記録でき、持ち運びしやすいところがメリットです。

また、パソコンのデータバックアップや動画など大容量のファイル保存に使用する場合、できるだけ容量が大きいSDカードが欲しいところです。そのためにも、なるべくコンパクトで容量の大きな製品を探す必要があります。

そこで今回は、現在販売されているSDカードの最大容量はどの程度なのか、 Switchやパソコンのデータを丸々バックアップできるほど大容量である2TBのSDカードはいつ販売されるのかを紹介するとともに、SDXCやSDUCとはなにか、やSDカードとmicroSDカードの違いなどについても解説します。

SDカードには複数の規格が存在しています。それぞれの規格で最大容量が異なり、最も容量が大きい規格が「SDXCカード」です。最大規定容量は2TBとすべてのSDカードの中で最大のものです。

ただし、あくまでもSDXCカードに搭載できる最大の容量なので、現時点で2TB容量のSDカードは販売されていません。

先述のように、現時点のSDカードの最大容量はSDXCカードの2TBです。2TBのSDXCカードはNintendo Switchに対応しているため気になっている方も多いはず。しかし、2TBのSDXCカードも商品化されていないのが現状である一方で、なんとSDXCカードをはるかに超える、最大容量128TBの次世代SDカードの規格が2018年に量産開始されています。

128TBの最大容量持つ新規格は「SDUC」といい、128TBの容量は2枚あればストリーミングサービスの楽曲すべてを記録できるほどの大容量です。2023年にはキオクシアが容量2TBのmicroSDカードの量産を開始予定で、大容量SDカードが欲しい人にとっては発売が待ち遠しいところです。

現時点で市販されているSDカードの最大容量は1TBにとどまっています。とはいえ、1TBの容量があれば多数のファイルやデータを記録可能です。1TBは10MBの画像が約10万枚、1曲5MBの楽曲が20万曲、1分100MBの動画が約166時間分記録できます。具体的な記録可能ファイル数を見ると、1TBでも多くのデータやファイルを保存できていると言えます。

microSDカードはSDカードより小型サイズのカードです。SDカードはパソコンをはじめとしてビデオカメラやデジカメで採用されているのに対し、microSDカードはスマホやゲーム機などに採用されています。また、かつてはmicroSDカードとSDカードの中間に当たるサイズの「miniSDカード」がありましたが、現在はmicroSDカードが主流となり、使用される頻度はかなり少なくなっています。

SDカードは容量によって規格が異なり、それに伴って価格も変わります。最も容量が少ないのが「SDカード」で最大容量は2GBです。次に容量が大きい規格が「SDHCカード」で最大容量32GBとなっています。現時点で最も容量が大きい規格が先に紹介した「SDXCカード」で、64GB～2TBまでの容量ですが、現状は1TBまでのものしか販売されていません。価格は容量が大きくなるにつれて高くなります。

一口にSDカードといっても、規格の違いと容量の違いがあります。そこで、SDカードとmicroSDカードそれぞれの規格の種類と容量、平均価格の目安を以下にまとめました。最適なSDカード選びの参考にしてください。

スピードクラスとは、SDカードを接続した機器とカードとの間でデータをどの程度の速度で転送できるか、保証された最低限の速度を示したものです。クラスの数値が大きいほど転送速度が速いとされ、さらに高速転送が可能なSDカードには、「Ultra High Speed」を意味する「UHSスピードクラス」が設定されています。さらに、動画撮影のための新規格「ビデオスピードクラス」もあります。

スピードクラスは、保証されたデータ転送速度によって以下の4段階に分かれます。

• Class2：データ転送速度2MB/秒以上
• Class4：データ転送速度4MB/秒以上
• Class6：データ転送速度6MB/秒以上
• Class10：データ転送速度10MB/秒以上

各スピードクラスの数値が、1秒あたりで保証された転送速度です。

UHSスピードクラスもスピードクラス同様、保証された転送速度に応じて以下の2種類があります。

• UHS Speed Class 1:データ転送速度10MB/秒以上
• UHS Speed Class 3：データ転送速度30MB/秒以上

ただし、UHSスピードクラスはUHSに対応した機器で使用しなければ、この速度は保証されません。

ビデオスピードクラスも最低保証速度を示すもので、こちらは以下の5種類があります。

• V6：データ転送速度6MB/秒以上
• V10：データ転送速度10MB/秒以上
• V30：データ転送速度30MB/秒以上
• V60：データ転送速度60MB/秒以上
• V90：データ転送速度90MB/秒以上

4Kのような高解像度にも対応するため、保証された転送速度は他のクラスより高いのが特長です。

SDカードも以前より大容量化していますが、その他の大容量記憶装置には「SSD（ソリッドステートドライブ）」や「HDD（ハードディスクドライブ）」もあります。これらに対応している機器で使用するのであれば、SDカード以外の選択肢として検討しましょう。ただしNintendo Switchには使用できないので要確認です。

SSDとは、内蔵したメモリーチップでデータの読み書きを行う記憶装置です。小型・軽量で転送速度が速いのが特長で、近年販売されているノートパソコンの記憶装置として多く用いられています。外付けタイプのSSDも多く販売されており、パソコン向けの記憶装置として使用されるほか、「PS4」などゲームのロード時間を速めるために使用したり、ゲーム用の記憶装置として使用したりするなど、家庭用ゲーム機にも活用されています。

HDDは内蔵した磁気ディスクでデータを読み書きする記憶装置です。以前からパソコンの記憶装置として多用され、現在も主にデスクトップパソコンやテレビ番組の録画ができるレコーダーの記憶装置として採用されています。

SSDよりもサイズと重量が大きいHDDですが、SSDより安価な特徴があります。外付けHDDはパソコンと接続して使えるほか、テレビと接続してのテレビ番組の録画、HDDレコーダーで録画した番組の移動やコピーに使用可能です。

近年デジタルカメラに搭載されはじめた新しいメモリーカードの「CFexpress」は、大容量化と高速化が最大の特徴です。2017年に最初の規格策定がおこなわれたメモリーカードですが、近年デジカメでも対応製品が増加しており、製品ジャンルによってはSDカードに代わって使用される可能性も高いです。

商品化されていない次世代SDカードに比べ、CFexpressはすでに2GB/秒に近い速度の製品が登場しています。容量も2TBの製品まで発表されたため、速度や容量を重視する人にとってはとても最適です。

SDカードは、容量とスピードクラスの違いにより多くの種類が揃っています。現時点で2TBのSDカードは販売されていませんが、1TBの大容量タイプなら購入可能です。しかし、容量が大きくなると価格も上がるため、使用目的によって最適な容量とスピードクラスを選び、SDカードを活用しましょう。