M.2SSD用ヒートシンクのおすすめ14選｜必要性や効果についても解説

M.2SSDの普及率が高まっていますよね。PC用としてはもちろん、最近ではPS5の増設用にM.2SSDを導入するユーザーも少なくありません。ただしM.2SSDをそのまま使うと発熱に伴うパフォーマンス低下のおそれがあり、対策が必要です。

PC・ゲーム機器などのパフォーマンス低下が起こる主な理由は、高熱によって引き起こされるサーマルスロットル。そこでM.2SSDにヒートシンクを取り付け、放熱効果を増強しましょう。

本記事ではM.2SSDに取り付けるヒートシンクの選び方や気になる取り付け方法を解説します。最後に、おすすめ商品14選も紹介しているので、M.2SSDをお持ちの方はぜひ参考にしてください。

M.2SSDとはSSDの中でも、M.2ソケットに接続できるものを指します。M.2ソケットは2014年から発売され、現在では高速インターフェースとしてSSD接続に使用される場合が多いです。M.2ソケットで接続されるSSDは、M.2SSDと呼ばれて通常のSATA接続のSSDとは区別されます。

通常のSSDの速度がSATA3.0の限界である6Gbpsに対して、M.2SSDは30Gbpsの速度が実現できます。一般的なHDDの速度が通常のSSDの5分の1程度ですから、M.2SSDはさらにその5倍である25倍の速度になります。将来的にM.2SSDは、現在の2.5インチSSDより普及する可能性が高いです。

SATA接続のM.2SSDは、基本的にSATA接続以上のスピードは出せません。SATAは最新規格の3.0でも6Gbpsが最大転送速度です。よって接続されたM.2SSDも、6Gbps以上の速度にはなりませんので、発熱は非常に穏やかです。同じSATA3.0に接続されたHDDと比較すると、M.2SSDやSSDの方が低発熱となっています。

NVMe×PCIe3.0接続のM.2SSDは、30Gbpsの転送速度を誇ります。高速で高性能であるのは、それだけ発熱しやすいのです。そのためNVMe×PCIe3.0接続のM.2SSDには、サーマルスロットリングが取り付けられており、一定以上の温度になると性能を落として発熱を抑える仕組みになっています。

M.2SSDにヒートシンクが求められる主な理由は、発熱に伴う性能低下を防ぐ必要性があるためです。一般的なM.2SSDは動作に伴って発熱し続けると、サーマルスロットリングが生じる恐れがあります。

サーマルスロットリングは温度の上昇を抑制する代償としてパフォーマンスを犠牲にするため、計算処理・読み込み速度の低下を招く原因に。そこでヒートシンクがあれば、サーマルスロットリングの発生リスクを低減できます。ちなみにM.2SSDの適正温度は70℃以下であるため、目安にしましょう。

NVMe×PCIe3.0接続のM.2SSDは、仕組み上はサーマルスロットリングのおかげで一定以上の発熱で抑えられます。しかしたとえば室温が高くて、サーマルスロットリングが作動していても、さらに温度が上昇するケースも考えられます。

さらに、SSDの温度が上昇するとパソコン内の温度も異常に上昇します。そうするとCPU温度も上昇し、CPUの温度が一定以上になった時点でマザーボードに搭載されたBIOSが、マザーボードの電源を切って通電そのものをカットします。外見上は、いきなり電源が切れたように見えます。

パソコンにはこのような仕組みが搭載されているので、M.2SSDの温度が上がりすぎても火災になりませんので安心してください。

取り付ける空間を確認し、確保が難しい場合は小型ヒートシンクがおすすめです。コンパクトサイズのため空間を圧迫せず、取り付けも簡単なのが特徴。小型ヒートシンクは高さを選んで購入するできます。

高さがあるタイプは冷却能力は上がりますが、ほかのパーツとの干渉に気を遣う必要があるため、取り付けられる高さをしっかり確認してから購入しましょう。

デスクトップパソコンでPCIeスロットが空いているのなら、PCIeスロットルにさすPCIeカードタイプのヒートシンクも選択肢に入れましょう。大型ですので放熱と冷却性能もその分、大きくなります。

M.2ソケットが2つ以上搭載されているモデルもありますので、モンスターマシンを目指すなら検討してみてください。

M.2SSD用ヒートシンクを選ぶ際には高さにも注目しましょう。物理的な一般論として、ヒートシンクはサイズの大きいものほど高い冷却性能が得られます。したがって高さのあるヒートシンクほどよく冷える一方、サイズ次第では他のPCパーツに干渉してしまうおそれもあり要注意です。

特にキューブ型・スリムタワーPCに組み込む場合、高さのかさばるヒートシンクは選べない可能性があります。

冷却ファン付きタイプ・水冷付きタイプならより強力に冷却が可能です。その分大型になるので寸法に余裕があれば検討するのもおすすめ。取り付けスペースがしっかりあるかを確認してから購入しましょう。

今後を考えるならゴムリング・金属クリップ・ブラケットで取り付けられるものがおすすめです。ラベル跡を残さずきれいに外せるため売却するときにメリットになります。売却を考えていなくても、頻繁にパーツ交換する方も、ゴムリングなどで固定できるタイプがおすすめです。

初心者には熱伝導両面テープがおすすめです。手軽に固定できて接着力が高めです。あとで外す可能性が低いなら耐熱絶縁テープが適しています。交換で外す場合は取り外しがしやすいですが、再度つけるには不向きです。

PCにぴったりのサイズがない場合は自作もおすすめ。ヒートシンク自体の構造は、非常にシンプルで、以下2つの条件さえ満たせば、ヒートシンクとしての役目を果たせます。

1. 熱伝導率の高い素材
2. 放熱を効率的にするため表面積を広げる

パーツショップではでは細かいサイズのパーツが販売されています。熱伝導両面テープで貼り付けて自作可能です。ヒートシンクのフィンになる部分は、ホームセンターで売っている、アルミレールで自作するのも一手です。

M.2SSDは熱暴走しても、故障する可能性は高くありません。機会があれば自作にチャレンジしてみてください。

結論から言うとシールは剥がさない方がいいです。シールを無理に剥がすと基盤が剥がれる可能性があり、m.2ssdの故障の原因となりかねません。実際に、シールを剥がすと保証が切れるとされているので注意が必要です。

PS5のM.2 SSD拡張に関しては、2021年9月15日のソフトウェアアップデートで可能となりました。とはいえ、増設をするには以下のポイントを気を付ける必要があります。

• ヒートシンクや熱伝導シートなどの放熱機構が必要
• NVMe M.2 SSDの最新規格であるPCIe Gen 4x4に対応しているものを選ぶ
• SSDサイズを高さ11.25ｍｍ、幅25mmまでに抑える必要がある

価格の安いSSDはこれらの条件を満たしていない場合があるので、PS5のSSD増設を考えている場合は、これらの条件を満たしたものを選ぶようにしてください。

ヒートシンクの冷却効果をさらに高めるために、サーマルパッドを貼るのもおすすめです。サーマルパッドとは熱伝導性のいいシートで、ハサミでサイズを調整してヒートシンクに簡単に貼れます。安価なものは数百円で購入可能。余ったシートをほかのパーツに貼って、PC全体の冷却効果を高めるのにも利用できます。

M.2SSD用ヒートシンクはM.2SSDを導入するときに、セットで購入を検討する製品です。もちろんSATA接続のM.2SSDであれば、熱を持たないのでヒートシンクも必要ありません。しかしNVMe SSDの購入では、しっかりとM.2SSDに最適なヒートシンクを選択してください。