自炊スキャナおすすめ19選｜漫画や本をPDF化【非破壊自炊・破壊自炊】

電子書籍が主流になりつつある今、「自炊」が注目を浴びています。「自炊」とは、本や書類などの紙面を自身でスキャンし、デジタルデータ化する行為を指します。自炊を行うためには、自炊用のブックスキャナーが必要です。

自炊用スキャナ（自炊用スキャナー）を使えば、紙面をスキャンした後、デジタルデータに変換ができます。読み込んだデータをJPEGやPDFなどに変換すれば、さまざまな端末で読み込めるようになり、好きな本をデータとしてどこへでも持ち運べます。お気に入りの漫画や本をPDF化すれば、本を持ち歩かなくても好きな時に楽しめて便利です。

そこで今回は、業務用ブックスキャナーを作っているメーカーの製品も含めた、破壊自炊用スキャナ・非破壊自炊用スキャナのおすすめ商品を紹介します。また、この記事の最後にはスキャナのレンタル方法についても紹介します。ぜひ用途に合わせて、ピッタリなスキャナを選んでください。

自炊には「破壊自炊」と「非破壊自炊」の2種類があり、それぞれに相応しいスキャナを選ぶ必要があります。ここからは、自炊の方法に注目して選び方をご紹介します。

自炊スキャンの方法の一つに、「破壊自炊」があります。破壊自炊とは、紙の本を読み込む際にページ毎に裁断してスキャンする方法です。本を1ページずつバラバラにしてから読み取るため、陰や歪みが生じづらくクリアにスキャンできるのが特徴です。

破壊自炊を行うには、ページを1枚ずつ読み取れる「シートフィードスキャナー」や「フラットベッドスキャナー」と呼ばれる種類のスキャナを選ぶ必要があり、両者を比較すると、シートフィードスキャナーの方がよりスピーディーにスキャンできる傾向があります。

破壊自炊は鮮明に読み取れる一方で、紙面を裁断してしまうため本を元に戻せないデメリットもあります。また、破壊自炊を行う際は紙面を復元できない前提で進めなくてはいけません。

自炊スキャンの方法には「非破壊自炊」と呼ばれるやり方もあります。非破壊自炊とは、紙の本を裁断せずにスキャンする方法で、破壊自炊とは違って紙面を傷つけずにスキャンできるのが魅力です。

非破壊自炊を行うには、非接触でスキャンできる「オーバーヘッドスキャナー」や、手で滑らせてページの上からスキャンする「ハンディスキャナー」、コピー機のように使える「フラットベッドスキャナー」を選ぶ必要があります。

いずれの方法も、1ページずつ手動でめくる必要があるので、破壊自炊よりも手間がかかるデメリットがあります。

「シートフィードスキャナー」は、データ化したい紙面を1ページずつ本体に通過させて読み取りをおこなう方式の自炊用スキャナです。そのため、冊子状になっている書籍のデータは読み込めず、破壊自炊に向いている種類です。

シートフィードスキャナーには、1枚ずつ紙を手動で手差しする「手差し式」と、複数枚の書類を自動で紙送りできる「ADF（オートドキュメントフィーダー）搭載」の種類があります。手差し式は、一枚ずつ手動で差し込むタイプのスキャナです。

そのため、大量枚数の自炊には不向きですが、サイズがコンパクトなので数枚程度の自炊には向いています。一方で、ADF搭載式は、自動で紙送りをする機能がついているため、大量枚数の自炊に向いています。ご自身の用途に合わせて選ぶようにしましょう。

「フラットベッドスキャナー」は、コピー機のように原稿をガラス面に接触させてデータ化するタイプの自炊用スキャナーです。冊子状になっている書籍を、裁断せずともきれいにスキャンできるので、非破壊自炊に向いている種類です。

また、フラットベッドスキャナーは、他タイプに比べるとスキャンの精度が高く、カラーページや細部に至るまでもきれいに取り込める強みがあります。そのため、写真や絵の多い本の自炊にもおすすめです。

ただし、1ページごとに手動で設置する手間がかかるため、大量枚数の自炊よりは、数枚の自炊に向いているタイプです。

「オーバーヘッドスキャナー」は、紙面の真上から非接触で読み取るタイプのスキャナーです。本を裁断せずともスキャンできるので、非破壊自炊に向いています。定位置に設置するだけでスキャンができるので、簡単に読み取り作業を行えます。

一度で見開き2ページ分のスキャンができますが、その都度手動でページめくりを行う必要があるので、大量自炊の場合は手間がかかってしまうのがデメリットです。

また、読み取ったデータのページ中央部分に陰ができたり、歪みが生じる場合も多く、鮮明にスキャンしたいデータの自炊には不向きといえます。

「ハンディスキャナー」は、手で紙面の上を滑らせてデータを読み取るタイプです。コンパクトなので持ち運びにも便利で、どこでも気軽に使えるのが魅力です。

破壊自炊・非破壊自炊のどちらにも使用ができますが、ページの上を滑らせてスキャンするため、いずれの方法の場合にせよフラットな場所で読み取る必要があります。

他のタイプに比べると、気軽で便利に使用ができますが、その代わり解像度が低く鮮明に読み取りづらいデメリットもあります。

自炊用のスキャナを選定する際は、解像度に注目するのも重要です。解像度は「dpi」と呼ばれる単位で表され、数字が大きくなるほど、高画質になります。また、解像度の設定には、白黒・グレースケール（モノクロ）・カラーがあります。

解像度はスキャンする対象によって目安があり、たとえば、活字のみの白黒ページを読み込む場合は、白黒で600dpiの解像度が目安です。一方で同じ白黒ページでも、漫画など白と黒の間にコントラストがあるものはグレースケールで300dpiを目安にしましょう。

また、写真や絵などのカラーページの読み込みは、カラーで300dpiが目安になり、これ以上の解像度があれば、どの端末でもきれいに楽しめます。

自炊用スキャナは、機種ごとにスキャンできる書類のサイズが決まっており、ページ単位でスキャンする破壊自炊の場合は、1ページあたりのサイズに注目します。A4以上に対応しているスキャナだと、幅広いサイズの本に対応可能です。

一方で、本を開いた状態でスキャンする場合が多い非破壊自炊の場合には、見開き2ページのサイズで考えます。たとえば、1ページがA5サイズの本であれば、見開き2ページでA4サイズになります。

つまり、A5サイズの本を非破壊自炊する場合は、A4サイズ以上に対応したスキャナを使う必要があるのです。このように、スキャンしたい書類のサイズに合わせてスキャナ自体を選ぶのも重要なポイントになります。

ビジネスシーンなど、スキャンする枚数が多い場合は読み取り速度に着目して選ぶのがおすすめです。時間のかかるスキャナーでは、作業効率が悪く業務に支障がでるばかりでなく、ストレスも溜まってしまいます。スムーズな作業のために、読み取り速度の速い機種を選びましょう。

また、一度に多くの用紙がセットできるタイプもビジネス利用では有効です。何度も用紙をセットするのは、意外に手間がかかり時間も取られます。事務作業での時間的なロスを減らせば、業務に充てられる時間をさらに確保できます。

出先でスキャナーを使用する機会が多い場合は、携帯性が重要です。出先で受け取った書類をすぐにスキャンし電子化して送るには、持ち運びやすいコンパクトなタイプを選びましょう。電子化したデータを保存したいなら、USBバスパワー対応モデルもいいでしょう。

自宅での使用など、持ち歩きが不要なら一度に大量の用紙をスキャンできる据え置きタイプもおすすめです。用途に合わせて、使いやすいタイプのスキャナーを選んでください。

「自動補正機能」は、原稿をセッティングしたときのズレを自動的に修正してくれる付加機能を指します。特にオーバーヘッド型は、見開きの状態で使用するため、他のタイプのスキャナよりも不安定です。

そのため、書類の表面が曲がりやすく、出力するとデータが波打ってしまいます。湾曲を自動補正する機能が搭載されているものであれば、きれいに出力できおすすめです。

自炊用スキャナには基本的に独自のソフトが搭載されています。たとえば、画像として読み込んだ文字を、テキストとして認識する「OCR機能」などが、独自ソフトに組み込まれている場合が多いです。独自ソフトを使ってできる機能は機種ごとによって異なります。

独自ソフトを商品ごとに比較して、どんな機能がついていて何ができるスキャナなのかを確認してから決めるのがおすすめです。

読み込んだデータを、スマホやタブレットで使用するなら、Wi-Fi・Bluetooth対応を選ぶのがおすすめです。パソコンを経由しなくても、取り込んだ瞬間にデータを端末に送れるので大変便利です。

Wi-FiやBluetoothに対応していない機種のものは、スマホ・タブレットへの転送用の専用アダプタなどの機器が必要な機種もあります。スマホで閲覧したい方は、Wi-Fi・Bluetooth対応のものを選ぶ方がいいでしょう。

自炊用スキャナには、安いものから高価なものまで幅広い価格のものがあります。安く手に入れられる中古のものを含めて、1〜5万円程度が相場です。中には10万円以上する高性能なものも販売されています。予算と相談して価格帯で決めるのも方法のひとつです。

「brother（ブラザー）」は、1934年に名古屋に設立された国内老舗のブランドです。信頼できる国内の機械メーカーで、主にオフィスや家庭用の複合機を展開しています。機種にもよりますが、自炊用スキャナの価格帯は2〜4万前後です。

最近では、ネットワークの対応やクラウドサービスとの連携など、新しい機能も積極的に取り入れており、常に商品の使いやすさを追い求めています。気になる方はブラザーのスキャナを検討してみましょう。

「FUJITSU（富士通）」は、国内でも有数の機械メーカーです。世界的にも有名で、高い信頼感があります。機種にもよりますが、自炊用スキャナの価格帯は、2〜5万程度となっています。少し高価ですが、その品質は確かです。ScanSnap iX1600といった両面読み取りできる、操作も設定も簡単にできるモデルもあります。

また、富士通は複合機の販売だけではなく、パソコンやテレビの製造・ソフトウェアの開発・ネットワークサービスの提供まで幅広い事業を展開しています。どのメーカーか迷った場合は、富士通の商品を購入すれば間違いはないです。

「CANON（キヤノン）」は、カメラなどの映像機器や、複合機などの事務機器に強い国内有数のOA機械メーカーです。商品によりますが、自炊用スキャナの価格帯は2〜4万程度です。複合機の開発に強く、スキャナにおいても信頼がおけるブランドなので、使いたいと思った方はキヤノンの商品を検討してみましょう。

「EPSON（エプソン）」はパソコン周辺機器を扱う大手メーカーで、特にプリンター部門では国内トップシェアを誇っています。エプソンのスキャナーは、家庭用・業務用・写真に特化したものなど、多彩なラインナップが魅力です。時短で作業したい・大量に読み込みたい・置き場所をとりたくないなど、さまざまなニーズに応えます。

短期間の使用であれば、スキャナを購入するよりレンタルする方がコストがかからない場合が多く、おすすめです。レンタル会社のホームページから気軽に申し込め、レンタル日数は一般的に3泊4日から2〜3ヶ月程度と幅広く、一度お試しで使ってみたい方にはもちろん長期使用したい方にもおすすめです。

また、自炊用スキャナが備えられているレンタルスペースもあります。レンタルスペースの中には、裁断作業をスタッフが行ってくれるところもあるため、そういった場所を選べば体力を使わずに自炊が可能です。

スキャンしたい書類の量が多かったり、自炊環境が整っていなかったりする場合は、書類をスキャンしデータ化する作業を業者が代わりに行ってくれる「スキャン代行サービス」もおすすめです。料金は業者にもよりますが、大体1冊あたり100~200円程度が相場です。

中には、カラースキャンやファイル名の変更など、スキャンするうえでほぼ必須のプロセスにオプション料金がかかる業者もあるため、1冊あたりの金額だけでなく、無料オプションが多いかどうかも確認するのがおすすめです。

また、スキャンする書類は著作物である場合が多いです。法律面の対応がしっかりしていない業者を選んでしまうと、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。料金だけでなく、著作権に対する対応がしっかりしているかどうかも業者選びの重要なポイントです。

ペーパーレスが主流になっている昨今、多くの自炊用のスキャナが販売されています。破壊自炊に抵抗がある方は、本を裁断しなくても読み取れる商品がたくさん発売されているので、ぜひご自身の用途に合ったスキャナを探してください。