バックアップソフトのおすすめ19選｜フリーソフトやWindows11対応も！

PCに接続されているHDD・SSDは突然壊れる可能性があり、最悪の場合PC本体が壊れます。そんな時にやっておくと安心なのがバックアップです。バックアップ方法はいくつかありますが、一番有名なのは外付けHDDにデータのコピーを取る方法です。

コピーしてペーストする手間や、ファイル容量が大きくて転送に時間がかかる難点はあります。しかし、バックアップを後回しにすると、いざ故障した時にとても後悔します。自動バックアップでも、差分バックアップ・増分バックアップなど、自分に合う方法で行うのが大切です。

今回は、パソコンを丸ごとバックアップする方法やWindowsを中心としたバックアップソフトの選び方を解説します。また、フリーソフトと有料ソフトの違いや、Windows10・Windows11などに対応するおすすめバックアップソフトを有料・無料に分けて紹介します。ぜひ最後までご覧ください。

なぜ、バックアップソフトが必要なのでしょうか？バックアップの必要性とリスクをしっかりと把握しておくのが大切です。

【必要性】

• ハードウェアの破損（経年劣化や落下・ウイルス感染など）
• データの誤削除や保存ミスをした場合の復元
• 盗難やデータ改ざんなどの犯罪に巻き込まれたとき

【リスク】

• サービス停止・取引停止などデータを失ったことにより信用をなくす
• 重要データなどを損失した場合は企業の運用に大ダメージ
• 電子データの保管義務を守れていないため社会的信頼を失う

バックアップはバックアップする直前のデータをコピーして、必要なときに復元できます。復元するまでは使用せずに保管するのが特徴です。フォルダ同期はバックアップと違い、2つのフォルダを同じ状態にすることです。同期元のフォルダの内容に変化があれば、自動的に同期先フォルダも変更されます。

個人用途のバックアップ用ディスクとして、もっともポピュラーなのが外付けのHDD（ハードディスク）です。同じ容量であればSSDや、USBメモリのようなフラッシュメモリ媒体よりかなり安価です。最近のパソコンではUSB3.0が標準となり、外付けHDDの転送速度も内蔵に迫るほど高速になっています。

バックアップ用のディスクは常時接続していなくても、バックアップ時やファイルをリストアする時だけパソコンに接続すれば十分です。扱う容量がよほど大きい場合は別ですが、通常個人使用のパソコンであれば、バックアップ時にそこまでディスク速度を求められる必要はありません。その意味でも安価なHDDは有利と言えます。

Mac用のOSであるmacOSには、標準でTime Machineというバックアップ機能が組み込まれています。一定期間ごとの定期的なバックアップをとり、ディスクが満杯になれば古いものから順に削除していきます。

ただし、基本的には外付けのディスクしかバックアップ先として選択できません。また、指定はディスク単位となりフォルダやファイルを指定したバックアップはできないので、注意が必要です。

Windowsにも標準で「バックアップ」という機能が付いており、指定したフォルダを定期的にバックアップすることができます。バックアップ先としては任意のドライブを指定できますが、バックアップ元と同じディスクを指定することはできません。10分から1日1回まで、バックアップ間隔を指定できます。

また、Windowsでは「バックアップ」とは別に「バックアップと復元」機能も搭載されています。こちらはVHDファイルを使うもので、バックアップからシステム全体の復元が可能です。

近年、一番主流になっているのがサーバーによるバックアップ方法です。クラウドサービスとも言われ、有名なところではiCloudやGoogle Driveなどが挙げられます。上記の方法のように物理的なメディアを使わずに、ネット上にあるサーバーにデータを保存するので、いつどこででもネット環境があればデータを読み取りが可能です。

とても汎用性が高く、ある程度は無料で使えるのが魅力です。しかし、データ量が大きくなると有料になり、ハッキングや障害によってデータが損なわれる可能性があります。そのため、他のメディアとの併用をおすすめします。

macOSやWindowsだけでなく、LinuxなどのUnix系OS（ディストリビュージョン）でも、バックアップツールはほぼ標準で搭載されています。

標準のバックアップ機能の場合、システムを丸ごとバックアップするしかなかったり、やりたいバックアップ方法ができなかったりします。そのため、PCのバックアップをする際にはバックアップソフトを使用するのがおすすめです。

また、市販のバックアップソフトでは、ファイルやフォルダ単位での指定や日時・サイズによる指定といったより詳細なバックアップ設定ができるものもあります。MacやWindows以外のOSを使用していて、標準のバックアップツールではもの足りない方は、要チェックです。

バックアップソフトは有料と無料のものがあります。バックアップをとるだけなら無料ソフトで十分ですが、機能が制限されていたりバックアップの速度が遅いなどのデメリットもあります。

一方、有料ソフトウェアは、細かい設定ができたり自動バックアップしてくれるなど、便利な機能が充実しているメリットがあります。初心者向けから複雑な設定に対応できるものまで幅広く、自分に合ったものが選びやすい点も魅力です。効率を重視するなら有料ソフトウェアがおすすめです。

市販ソフトの場合、多くはWindows用ですが、MacOSに対応している製品もあります。また、LinuxなどUnix系ソフトの場合は、rsyncなどオープンソースのソフトが広く使われているため、それぞれ対応を確認しましょう。

さらに有料・無料を問わず、AndroidやiOSなどスマートフォンでのバックアップに対応した製品も存在します。自分の使っている製品のOSに合わせて選ぶようにしましょう。

フルバックアップとは、システムを丸ごとバックアップするものです。もちろんディスク容量は必要になりますが、PC内の環境などシステムそのものを保持しておけるので、非常に手厚いバックアップと言えます。

一回のバックアップに時間がかかるのは難点です。しかし、万が一パソコンにトラブルが起きて使えなくなってしまった場合に、少ない手間でシステムを簡単に復旧できます。すぐに以前の状態に復元できるため、重要なデータのバックアップにおすすめの方法です。

差分バックアップとは1度バックアップをとると、2回目以降は1回目から変更のあった、もしくは新しく作成されたファイル／フォルダのみをバックアップする方式です。フルバックアップに比べてコピーする容量は少なくなります。

ただし、パソコンに問題が起こってシステムを復元しようとした場合、差分をとった時点にまでしか遡れません。何段階にもバックアップしておくためにはフルバックアップ同様、スナップショットを定期的に保存しておく必要があります。その場合は、ディスク容量もそれなりに必要になるので注意しましょう。

増分バックアップでは、まず差分バックアップと同様に初回はフルバックアップを行います。2回目以降のバックアップでは、前回のデータから変更のあった箇所のみ上書きしてバックアップする仕組みです。初回のバックアップ内容と比較する差分バックアップと異なり、前回のバックアップと比較して変更のあった箇所のみ保存します。

そのため、バックアップ方法の中で最もディスク容量を少なく・時間をかけずに行えます。一方で、データの復元には最も時間がかかるので、復元する機会が極めて少ない方向けの方法です。

ミラーバックアップは、システムそのものをほかのディスクに同期させながら運用する形態です。フルバックアップ後、または前回のミラーバックアップ後に追加や変更のあったファイルすべてが対象でバックアップを行います。

特徴はバックアップを行った後に、元のバックアップデータが上書きされる点です。削除されたデータは、バックアップデータからも削除されるので注意が必要です。バックアップを忘れるリスクがない代わりに、常にリアルタイムでしかバックアップできません。ある時点での状態を保存するには、別途バックアップをしてください。

自動バックアップでは、あらかじめ設定したタイミング・バックアップ方式で、自動的かつ定期的にバックアップされます。バックアップを怠っていたときの「うっかり」をサポートしてくれる便利な機能です。

Windowsのバックアップ方式には、以下の3つがあります。

• ファイル履歴を利用する方法
• 復元ポイントでバックアップする方法
• 外付けHDDを用いて、バックアップと復元をする方法

Macの場合は、バックアップ機能である「Time Machine」が入っているため、自動的にバックアップされます。外付けのストレージデバイスを用意するのがポイントです。

ご説明してきましたようにシステムを丸ごとバックアップするか、ファイル/フォルダ単位でバックアップするかによって使う方式も変わります。

どのバックアップでも、一度はシステムをフルコピーします。しかし、トラブル発生時に復元したいという用途であれば、フルバックアップで何段階にもシステムを丸ごとバックアップしておくべきです。ほかの方法では、復旧により手間がかかります。

更新頻度の多いファイル/フォルダのみ重点的にバックアップするのであれば、ファイルバックアップを選んでください。ただし数が少ないのであれば、単純に外部ディスクに定期的にコピーしておくだけでも十分な場合も多いです。

先述した外付けHDDの他にも、SSD・USBメモリ・Blu-rayディスク・DVD・ネットワークに接続して使用するHDDのNAS・クラウドなど、多様な保存場所の指定が可能です。1つの媒体だけでなく、保存先のトラブルに備えて複数の場所でバックアップしておくとより安心です。

起動するとウィザード（設定をナビゲーションする画面）があらわれ、バックアップする場所・バックアップするファイル（フォルダ）・バックアップする方法（圧縮するかどうかなど）といったウィザードの質問に順番に答えていくだけで、必要な部分のバックアップがとれます。特に初心者におすすめのバックアップソフトです。

オープンソースで開発されているWindows用のバックアップソフトです。修正BSDライセンスを採用しており、個人用でも商用でも、フルに無料で使用できます。ファイルやフォルダのミラーリング（同期）ができます。

一度バックアップをとれば、2回目以降は差分バックアップをとるので、高速なバックアップが可能です。シンプルですが、非常に分かりやすいグラフィカルなインターフェイス付きです。「こうバックアップをとりたい」と、ある程度理解できている方におすすめします。

バックアップ元/バックアップ先の指定だけでなく、バックアップしないファイルの指定・上書きコピーするかどうか・ファイル/フォルダの更新日時やサイズによる指定など、こまかな設定が可能なバックアップソフトです。

フリーのバックアップソフトとしては高機能ですが、マニュアル（解説書）は有料となっています。

商用のバックアップソフトである「Iperius Backup」のフリーウェア版（無料版）です。もともと商用ソフトとして販売されているだけに機能は高く、NAS（ネットワークHDD）やネットワーク越しのバックアップにも対応しています。

バックアップ時にメールで内容を通知することも可能です。無料版はサポートがなく、クラウドへのバックアップができないなど一部制限はあります。しかし、これだけ本格的なバックアップソフトが無料で使えるのはかなりお得感があると言えます。

こちらも、商用版が販売されているWindows11の無料バックアップソフトです。フリーウェア版ではスケジュールバックアップやメール通知には対応していません。しかし、差分バックアップやディスクのクローニングなど、かなりの機能を無料で使えます。

OSをまるごとバックアップする機能がついており、クローニングソフトとしても十分使用可能です。システムそのものを定期的にバックアップする用途で、より力を発揮してくれるバックアップソフトと言えます。

任意のファイルやフォルダを別ドライブに一括で同期したい時におすすめなのが「RealSync」です。バックアップ元とバックアップ先のフォルダを簡単操作で同一内容にでき、2回目以降からは処理スピードも高速化します。

RealSync自体は軽量で、インストールが不要な点も手軽で魅力的です。同期の設定もシンプルでわかりやすいため、初心者の方にも扱いやすくおすすめです。

AOMEI Backupperはフリーソフトながら、フルバックアップ・増分バックアップなどバックアップの自由度の高さが魅力です。有料版ではさらに細かなカスタマイズができます。しかし、無料版でも復元や同期・クラウドストレージへのバックアップなどさまざまな操作が可能です。

MBR形式のHDD・SSDならクローンの作成も簡単にできます。フリーソフトで自由度の高いものを求める方におすすめです。

バックアップソフトの種類が違っても、大まかなバックアップの流れはあまり変わりません。有料ソフトは、細かな設定の指定が好みに合わせてできる場合が多くなっています。使い方の手順は以下の通りです。

1. フリーソフトの場合は任意のサイトから、有料ソフトの場合はダウンロードソフトを使用してセットアップファイルをダウンロードする
2. セットアップファイルを実行してウィンドウを開く
3. バックアップするデータを選択し、バックアップ元・バックアップ先を指定
4. バックアップの種類ははじめてバックアップする場合は「フルバックアップを選択」
5. ソフトにより、実行スケジュールの指定や暗号化の有無を指定できる場合がある
6. 実行ボタンを押すことによりバックアップが開始される

無料ソフトでも十分なバックアップ機能を備えたものは多いですが、取扱説明書が有料になっていることもあります。そのため、事前に使用ソフトの使い勝手の良さも確認するのがおすすめです。

バックアップ元・バックアップ先どちらもそうですが、ディスク自体に問題があればディレクトリ構造やファイル自体が壊れる可能性があります。こうなると、バックアップをとっていても復元できません。バックアップをとる場合は、ディスクの健康状態にも気を配ることが大切です。

今回はバックアップソフトについて解説してきましたが、いかがでしたか。支出を抑えたいのであれば、無料ソフトでも高機能なものはたくさんあります。とにかくかんたんに分かりやすくバックアップしたいのであれば、その方面に注力している市販ソフトが要望に応えてくれるでしょう。