【2023】PWMファンコントローラーおすすめ3選｜PWM制御とは？自作方法も

自作パソコンには自分だけのユニークなパソコンを作れる魅力がありますよね。自作は手間がかかる一方、既製品よりも低コストで仕上げられる・好みのパーツを取り付けられるといったメリットがあります。パソコン自作で大事な要素の1つが静音性です。

静音性を高めるにはPWMファンコントローラーの導入がおすすめです。PWM制御によってケースファンを一括で操作・管理できるほか、効率的なエアフローによって低騒音・省エネも実現可能。RGB対応機種ならライティングのパターンも変えられます。

そこで本記事ではPWMファンコントローラーの仕組み・PWM制御とアナログ式可変速制御の違い・特徴・メリットなどを解説します。またPWMファンとDCファンの違い・おすすめのPWMファンコントローラー3選もご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

PWMファンコントローラーとはどのような仕組みで動くのか。基本的なPWMの仕組みや、アナログ式可変速制御との違いについてわかりやすく解説します。電力効率の違いもチェックポイントの1つです。

PWMとはPulse Width Modulationの略で、日本語ではパルス幅変調方式と呼びます。ファンコントローラーに搭載されているモーターの駆動電源に対し、一定周期でオンオフを繰り返してモーターの速度を可変させるものです。

オフの周期が長ければモーターの速度が低減し、オンの周期が長ければモーターの速度が増大します。アナログ式可変速制御に比べて電力使用が効率的なのが特徴です。

アナログ式可変速制御は直接、駆動電圧そのものを変化させてモーターの速度を可変させる方式です。低速になると電力使用効率が悪くなったり、そのロスで発生する放熱対策が必要なのがアナログ式可変速制御の特徴です。

PWMの方が電力使用効率がよく、放熱対策も最小限で済みます。アナログ式可変速制御は小さなモーターで、なおかつ速度の可変幅が小さい場合に使われるのが一般的です。

PWM制御はパルス幅変調方式を利用した電力制御方法です。パルス列のオン・オフの一定周期を作り、オンの時間幅を変化させる要領で供給される電力を制御します。対象物の温度に対応して回転数を柔軟に変えるため、冷却性能を効率的に制御可能です。

PWMファンコントローラーはアナログ式可変速制御と異なり、電力使用効率が高く消費電力が少なくて済みます。また、BIOS任せではなくファンコントローラーを導入すれば、手動で回転数をコントロール可能です。

自動だと余裕を持たせて回転数が上がりますが、手動だと適切な回転数に抑えられて消費電力が節約できます。PWMファンコントローラーとともにPCケースのエアフローも効率化すると、さらに消費電力が低減可能です。

静音性を重視するならファンの回転数はできるだけ抑えるべきです。ファンコントローラーを導入すると手動で回転数を設定できるため、パソコンのファンの音を軽減できます。PWMファンコントローラーなら電力使用効率がいいため発熱も少ないです。

ファンを駆動するモーター自体の発熱が少ないので、ファンの回転数も最小限に抑えられます。PWMファンコントローラーの使用と併せて、静音性の高いファンやPCケースを使用するとさらに効果的です。

PWMファンコントローラーはマザーボードの性能によっては、極めてデジタル制御が行いやすいファンコントローラーです。PWM端子付きのマザーボードの大半はBIOS付属の回転制御ツールでスピードを任意に変更できます。自作パソコンを組むときのマザーボードにPWM端子が搭載されているかどうか、購入前にしっかりチェックしましょう。

PWMファンコントローラーはPWMの性質上、簡単に最小回転速度で動作させられます。電圧によるコントロールであるアナログ式可変速制御は、最小回転速度では電力使用効率が極めて悪いです。

しかし、パルス幅変調方式のPWMはオンオフの周期を変化させるだけで済みます。また、PWMファンコントローラーの4番ピンをGNDに直結すれば最小回転となる裏技もあります。

PWMファンコントローラーを自作しようと思うと、いくつもの部品が必要になります。製作の仕方によって必要となる部品も変化します。以下は製作部品の一例です。コストは全部で2,000円ほどです。

• マイコン
• 500Ω半固定抵抗
• カーボン抵抗
• 積層セラミックコンデンサ
• 電解コンデンサ
• カモン・電源分配ケーブル
• ユニバーサル基板他

PWMファンコントローラーを自作するときには必ずはんだごてが必要です。他にも精密ドライバーやニッパー、ラジオペンチなどの工具を用意しましょう。回路の設計が終われば、難易度の高い作業はほとんどありません。

まずはどのような設計にするのかを考える必要があります。設計が終わったら必要な部品を購入し、それぞれをはんだ付けして組み立てていく作業になります。組み立て終わったら試運転をしてみましょう。実際にパソコンに搭載して、想定した動作をするかどうかを確認しましょう。

パソコンのケースファンにはPWMモードファンとDCモードファンがあります。DCモードファンはアナログ式可変速制御で回転数を制御するタイプです。DCファンはコネクタが3ピンで、PWMファンはコネクタが4ピンです。

ファン側もPWMに対応している必要があります。PWMに対応しているかどうかはメーカー公式サイトにも表記されています。他のスペックを確認するのと併せて、事前にPWMにファンが対応しているかどうかを必ずチェックしてください。

マザーボード側のファンコネクターが一個の場合でも、分岐ケーブルを使用すれば複数のケースファンを可動させられます。ただし注意点としてケースファン側の消費電力を考慮する必要があります。分岐ケーブルの個数に余裕があっても、総電力量がファンコネクターの容量を超えてしまうと上手く機能しない場合があるので、基本的には2個～3個程度を目安と考えるといいです。

マザーボードにソフトウェアを追加するとファンをコントロールできます。最近のマザーボードではこのソフトウェアが付属している場合もありますが、使いにくい場合も多いのでフリーソフトを使用する方も多いです。

有名なフリーソフトとして「FanCtrl」があります。FanCtrlはファンコントロールだけに特化しており余分な機能がないのがポイントです。CPUファン・ケースファン・グラフィックスカードのファンも制御可能です。

FanCtrlは、以下のGitHub上で公開されていますので、興味のある人は参考にしてください。

自作PCの静音性を高めるためにはケースファンにも注目しましょう。ケース内のエアフローが適正であればファンの回転数も抑えられるため、結果として騒音も低減できます。適正なエアフローを実現するためにはケースファンの数だけでなく、取り付け位置・向きにも配慮するのが大事です。

以下の記事では、PCケースファンのおすすめ商品を紹介しています。あわせてご確認ください。

PWMファンコントローラーは電力効率が良くて消費電力を抑え、高い静音性を実現できる優れものです。ファン側もPWMに対応している必要があるので、購入前にしっかり確認しましょう。PWMファンコントローラーを活用して、快適な自作パソコンを組み立ててください。