漫画制作ソフトのおすすめ7選｜パソコンで漫画を描くのに便利な無料ソフトも

漫画は普通のイラストと違い、コマ割りや吹き出しなどの独特な機能を使います。元々アナログで漫画を描いていた人にとっては慣れているので問題ないかもしれませんが、デジタルで細かい作業はあまり目にいいとは言えません。そんなときにおすすめなのが漫画書くソフトです。

漫画制作ソフトは「漫画を描くためのソフト」なので、通常のイラストソフトよりも漫画を描く上で便利な機能が豊富に実装されています。また、漫画制作に特化しモノクロでしか描けないなど思い切った設計をしたソフトもあります。フリーで利用できるツールやソフトのほか、漫画作成サイトなども充実しています。

この記事では、漫画制作ソフトと漫画も描けるイラストソフトの違い・パソコンで使える有料ソフト・無料ソフトのおすすめなどを詳しく解説していきます。セルシスなどの人気漫画ソフトもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

漫画制作ソフトとイラスト制作ソフトの大きな違いは、「漫画を描くのが前提となっているかどうか」です。前述したとおり、漫画を描く場合には「コマ割り機能」や「トーンの種類と数」が非常に重要となります。

もちろん、イラストソフトの中にも漫画が描けるソフトは数多くあります。しかし、いざ漫画を描こうとすると「操作にクセの強さを感じる」など、やはり漫画制作用として特化していない分、最も適しているとは言えないようです。

とはいえ、絵の描きやすさではイラスト制作ソフトが勝る点も多々あるため、作中で描かれる絵も重要となる漫画制作において、一概にどちらが適していると言い切れない面もあります。

「デジタルでの漫画制作と言えばパソコン」と考えている人も少なくないかと思います。しかし、スマホやタブレットが普及している現代において、「デジタル漫画の制作＝パソコン」との考えは古くなりつつあります。

その理由は、「スマホやタブレットで使えるソフトの登場」にあると言えます。むしろパソコンでの漫画制作となるとペンタブも必要となるため、パソコンから揃えるのであれば必要な予算はとても高額です。特に、液晶タブレットの購入を検討しているのであれば、金額はさらに高くなります。

しかし、ペンタブが必要ないスマホやタブレットであれば、予算をかなり抑えられます。「ペンタブを持っていないから」と諦めていた方も、デジタルでの漫画制作が可能になったのです。

商品を選ぶ際には、自分の環境を確認するのが重要です。漫画制作ソフトを選ぶのであれば、まず最初にお持ちのパソコンでソフトを使用できるかどうか確認しましょう。特に、Apple社のMacを使用している人は、同じソフトでもWindows版とMac版があるため注意が必要です。

また、容量の小さいパソコンや古いパソコンで機能豊富なソフトを使用すると、フリーズしたり動作が遅くなるなどのトラブルが起こる可能性もあります。反対に、ソフト自体が古い場合もWindows10に非対応の可能性があるため、購入前にしっかりと確認しておくのがおすすめです。

モノクロとカラー、どちらかの専用ソフトを選ぶ場合は「カラーを選んでもモノクロになるよう塗ればいいのでは？」と思う方も多いのですよね。

しかし、モノクロ原稿を作成する際にグレースケール（明暗だけを認識し、白と黒の間のグレーに段階を付けて表す技法）を使用すると、印刷した際にモアレ（縞模様のノイズ）が発生する場合もあります。そのため、モノクロしか使わないならモノクロ版の方がおすすめです。

もちろん、カラー版は制作の幅も広がるため、カラーでの制作予定があるのであればカラー版を購入するといいです。その際は、モノクロ2階調に変換できるソフトを選んでおけば、問題なくモノクロ原稿を制作できます。

自分が描いた漫画をどこで発表するかも、事前に考えておきましょう。同人誌や雑誌などの紙媒体で掲載するなら、モノクロ印刷に対応している必要があります。反対にTwitter・pixivをはじめとするインターネット上での公開を考えているなら、印刷時のモアレや画質を気にする必要はありません。

有料ソフトの購入を前提に考えている人もいるかもしれませんが、趣味で漫画を描くのであれば無料のソフトも優秀なのでおすすめです。もちろん、無料ソフトなのでサポートがない・機能が少ないといった点はどうしようもありませんが、使い方によっては十分な場合もあります。

また、有料ソフトであっても高ければいいわけではありません。もちろん、無料ソフトのように全くサポートがない製品は少ないですが、中には価格と性能が見合っていないぼったくり製品もあります。

どんな買い物でも言えますが、購入するソフトについてしっかりと調べ、自分に必要な機能を備えた商品を選びましょう。

パソコンソフトを購入する場合、一般的な買い物と大きく異なる点がDL版の存在です。CD版は買い切りであり、DVDドライブがないPCは注意が必要ですが、その他は多くの買い物とそう大きな違いはありません。

しかし、DL版はサブスク形式もあるため、よりお得に購入できる場合もあります。また、CD版だと商品が届くまで漫画制作を開始できませんが、DL版は支払いさえ終えればその場でDLして制作を開始できます。

ここまで読むとメリットしかないように見えるDL版ですが、一方で、再DL不可の商品である場合、パソコンが壊れてしまうと買いなおす必要があるなどのデメリットもあります。どちらがいいかは人によって異なるため、自分に合う販売形態を選びましょう。

求める画質などにも関わるため、対応しているファイル形式も考えておきたい要素の一つです。SNSやサイトに投稿する場合は、圧縮形式はとても重要な要素となります。中には作品をソフトからそのままSNSに投稿できるものもあるため、対応ソフトをチェックしてもいいですね。

また、カラーで保存・投稿したい方であれば、圧縮形式によっては画像の劣化にもつながるため、求める圧縮形式にソフトが対応しているか確認してください。特に無料ソフトは選択肢が少ないため、より注意が必要です。

その他有料ソフトの中には、商品名にちなんだ拡張子での保存が可能な独自の保存形式を持つものもあります。その場合、独自の保存形式が最も適した保存形式となるため、友人と合作を作りたい場合などは、共有できるよう同じソフトの購入をおすすめします。

スマホやタブレットで漫画を描きたいと考えているのであれば、アイビスペイントがおすすめです。有料版と比較すると、使用可能なブラシの数やテクスチャやトーンなどの種類は少なくなります。しかし、広告を視聴すれば使用可能になるなど、趣味で漫画を描くのであれば十分です。

また、CLIP STUDIO PAINTと連携している点も魅力的です。パソコンにCLIP STUDIO PAINTのソフトをインストールしていれば、出先で描いた漫画の続きを帰宅後にCLIP STUDIO PAINTで描くのも可能です。

しかし、「プロの漫画家を目指している」「作品を印刷して楽しみたい」方は注意が必要です。キャンバスをB5やA5サイズに設定すると、モノクロの漫画の印刷に必要な解像度（600dpi）に設定できません。そのため、SNS投稿を目的とした趣味の範囲で楽しむ方にのみおすすめのソフトです。

無料ソフトであるMediBangPaintは、やはり有料の漫画制作ソフトと比較すると全体的に自由度は下がります。しかし、クラウドを経由すれば1,000種類以上のトーンを使用でき、コマ枠機能などもある点を考えてみると無料ソフトとしては十分魅力的です。

カラーとモノクロ、どちらの漫画制作にも適しており、パソコンだけでなくスマホやタブレットからでもDL可能です。さらに、ユーザー登録してログインすれば端末間でのペンやブラシなどの設定も引継ぎできます。（MacとWindows以外の異なるOS間での引継ぎは不可）

モノクロ漫画を描く場合は、CLIP STUDIO PAINTとMediBangPaintの二択との意見もあるため、モノクロ漫画のみに興味がある方であれば、一度試してみるのがおすすめです。

次にご紹介する無料漫画制作ソフトは、「世界最大級のお絵描きSNS」と言われるpixivが開発したソフトです。正確にはお絵かきツールと表現するほうが近いソフトではありますが、絵を描いている様子を視聴できるライブ配信機能もあり、コミュニケーションツールを兼ねた漫画制作ソフトとしては優秀です。

ブラシは7～8種類から選べ、不透明度と太さのみ操作可能なシンプル仕様です。その他のツールに関しても、消しゴム・塗りつぶし・ぼかし・AIによる自動着色機能があるのみで、操作に悩みません。

しかし、PNG形式以外にはプロジェクトとしてのみ保存可能なため、保存形式にこだわる人には不向きなソフトと言えます。「簡単にTwitterに投稿したい」「操作がシンプルなソフトがいい」と思われる方におすすめのソフトです。

スマートフォンやタブレットを使って、思い通りの漫画が書けるアプリ「CLIP STUDIO PAINT（クリスタ）」も必見です。漫画だけでなくイラストやアニメーションなど、さまざまな作風のタッチが使用できるのが特徴になっています。

クリスタはプロの漫画家やアニメーターにも選ばれている定評のあるアプリとしても有名で、世界シェア率はNo.1を誇り、10万点以上の素材がダウンロードできるので、組み合わせればオリジナルの作品が簡単に仕上がります。また、クリスタのiPad版にはPC版と同等の機能が搭載されているため、さまざまなOSで作業ができます。

クリスタのiPad・iPhone・AndroidアプリもPC版と同等の機能が搭載されており、Chromebookでも使えます。これにより、どのデバイスでもクリスタを利用することができ、自分の作品をいつでもどこでも制作することができます。

「漫画を作成したいけれど、絵が描けない」とお考えの方にぴったりなのが、初心者でも漫画が作れるWebサービス「World Maker」です。イラストを自分で描かなくても、スマートフォンで簡単に漫画が構成できる優れものです。

World Makerは、株式会社カヤックと少年ジャンプ＋が共同開発したサービスで、新たな才能を発掘する目的で開発されました。4つの簡単な作業で漫画を制作するので、誰でもストーリーをビジュアル化できるのが特徴です。

【World Maker4つの操作方法】

1. あらすじを入力
2. ストーリーに沿ったコマ割りを選択
3. 約60万点の中からキャラや背景を配置
4. 完成したネームはSNSなどで公開

イラストにはあまり自信がないけど、短い漫画を作ってみたい方におすすめなのがこちらの無料の4コマ漫画作成ソフトです。素材を切り貼りするだけで、自分のオリジナルの4コマ漫画が作れます。キャラクターはもちろん、背景や効果音の文字なども豊富に取り揃えられているので、アイディア次第でさまざまな漫画を作れます。

会員登録すれば自分の好きな素材をアップロードして利用も可能です。もちろん、会員登録なしでも無料で使えるので、気になる人はぜひ一度試してみてください。

漫画制作をAIがサポートするサービス「Comic-Copilot」（コミコパ）がリリースされました。このサービスは、OpenAI社が提供する対話型AI「ChatGPT」を活用し、漫画制作の壁を乗り越える手助けをしています。

ユーザーはあらかじめ用意されたメニューから機能を選ぶだけで、AIが漫画制作の作業やアイデア出しのサポートをしてくれます。

現代で漫画を描こうと思えば、「デジタルで作業したい」と思う方は多いですよね。一度ソフトを購入すればトーンやインク代がかからないのはもちろん、修正もとても簡単なので、あまりお金をかけられない学生の方でも継続して漫画を制作できます。漫画制作に興味があるのであれば、ぜひ自分に合うソフトを見つけて挑戦してみてくださいね。