キーボードのキーが取れた！針金のはめかたやエンターキーの代用品も【ノートパソコン】

パソコンを使用している際、指や物がキーボードに引っかかり、キーが取れてしまう場合があります。特にノートパソコンのキーは外れやすく、頻繁に使用するキーが取れた場合は非常に不便です。

キーが取れても支障はないとそのまま使い続ける方もいますが、部品が破損していなければ自分で元通りに直せます。自分で直せるか判断できるように、キーボードの基本的な構造を押さえるのがポイントです。

この記事では、取れたキーの直し方やメーカーごとの対処方法をご紹介します。キーを固定している針金が外れた際のはめかた・エンターキーが壊れたときに代わりのキーを使う方法も紹介しますので、チェックしてください。

キーボードは、キートップ(押す時に触れる部分)と、その下にあるパンタグラフ(ひし形のスプリング)によって構成されています。さらに、エンターキーやスペースキーなどの大きめのキートップには、キーの傾きを抑えて固定させるため、裏側の淵に沿って針金が取り付けられています。

ノートパソコンのキーは取れやすく、外れた時も元に戻しにくいです。ノートパソコンのキーボードは、薄くて軽い「パンタグラフ式」のキーが主流となっており、「キートップ＋パンタグラフ×2」の部品で構成されています。

これらの部品は爪を接合部にはめ込む形で繋がっていますが、引っかかったり衝撃が加わると、接合部にはまっていた爪が外れてキーが取れてしまいます。

キーボードが取れた時は、まずキートップやパンタグラフがすべて揃っているか確認しましょう。部品が足りないと直せなくなります。

また、キートップやパンタグラフの形状にも気をつけましょう。ただ取れてしまっただけならそのまま元に戻せる場合が多いですが、キートップの爪が折れてしまったりパンタグラフが破損した場合、新しい部品と交換する必要があります。

キートップだけが取れた場合の手順を紹介します。

1. 取れたキートップを元の位置に被せる
2. 下方向に押し込む
3. パチッと音が鳴ったら、固定されているか確認する

取り付けが完了したらパソコンを起動し、キー入力ができるか確認してください。

パンタグラフとキートップの両方が取れた場合（パンタグラフごと外れた場合）の手順を紹介します。

1. 向きを確認し、パンタグラフ同士を取り付ける
2. 破損しないよう、パンタグラフと本体を慎重に取り付ける
3. 4ヶ所をしっかり取り付けたら、キートップを被せ下方向に押し込む
4. パチッと音が鳴ったら、固定されているか確認する

取り付けが完了したらパソコンを起動し、キー入力ができるか確認してください。

針金が外れた時は、キートップの裏側に針金をセットし、キートップをキーボード本体の爪に引っ掛けて水平の状態で押し込んでください。針金は自動的にガイドレールを通り元に戻ります。なお、スペースキーの場合は、両側の小さなキートップを外しておくと取り付けやすくなります。

キーボードの爪部分が折れた際、エポキシ樹脂を用いて破損個所を修復する方もいますが、自力で修復するのは難しいです。確実に修理したい方には、メーカー修理に出すのをおすすめします。

破損したパーツの修復は難しいですが、同じキーを手に入れられれば修繕できる可能性があります。ヤフオク・メルカリでは、バラ売りの中古キートップが多く出品されています。

使用しているキーボードと同じ型式のキーが見つかる可能性もあるので、出費が気になる方はぜひチェックしてみてください。あらかじめキーボードのサイズや型番を調べておくと、スムーズに検索できます。

キートップの爪やパンタグラフが折れている場合、在庫があれば部分的に修復できます。ただし、同一パーツでの交換が不可能な場合は、キーボード全体の交換・修理が必要になります。それぞれの修理費用の目安は以下の通りです。

業者によって修理費用に差があるため、無料見積もり等で事前に確認してください。

新品で購入したパソコンのキーボードが取れた場合は、保証規定・保証期間を確認しましょう。「キートップの外れ」「物理的障害」などの記載があれば、修理費用を保証でカバーできる可能性があります。

ただし、自分で直そうとして部品を破損させてしまうと、自分で壊したとみなされ保証の対象外になる可能性があります。保証期間中にパーツを扱う時は十分気をつけましょう。

富士通はモデルにより部品・取り付け方が異なります。また、公式サイトのサポートページに記載されていない機種の場合、故障・修理についての窓口へ相談する必要があるので気をつけましょう。

キートップのみが取れた場合は、キートップを元の位置に戻し、パチッと音が鳴るまで押し込みます。

キートップとパンタグラフの両方が取れた場合は、パンタグラフの平らな面を下に向け、向きを確かめながらキートップに取り付けます。キートップを元の位置に戻し、パチッと音が鳴るまで押し込んで完了です。

Lenovoは「ThinkPad・IdeaPad・Lenovoシリーズ・ノートブック製品全般」で、キートップが取れた場合の対処法が公開されています。ただし、部品が破損している場合は、サポートセンターに「キーボードのキートップが外れてしまいました」と修理を依頼する必要があります。

キートップのみが外れた場合は、キートップを上から被せてパチッと音が鳴るまで押し込みます。

キートップと2つのパンタグラフがすべて外れた場合は、2つのパンタグラフ同士を取り付け、出っ張り部分4箇所をキーボード本体にはめ込みます。キートップを上から被せてパチッと音が鳴るまで押し込めば完了です。

DELLの公式サイトでは、ノートパソコンのキーが外れてしまった時の対処法を詳しく紹介しています。キーを破損・紛失した場合は、DELLのカスタマーサービスへ問い合わせしてください。

キーキャップが取れた場合は、シザースプリングにキーキャップを合わせて、所定の位置にカチッと収まるまで指で押します。

シザーサポートバーと呼ばれるバーが外れている場合は、シザーの下部のレール下にバーの下部を挟んでから、シザー上部のレールの上にバーの上部をはめ込みます。

パナソニックは、「パナソニックパソコンサポート」でキートップが外れた場合の取り付け方法を紹介しています。ただし、部品が破損・変形・紛失している場合や自分で取り付ける際に破損した場合は修理が必要になりますので気をつけましょう。

CF-QV1・ CF-QV9・QV8シリーズのキートップが取れた場合は、キーボード側・キートップの爪に破損がないのを確認し、キーを所定の位置に置きます。まず爪側を押し込み、クランプ側も押し込んだら完了です。

上記シリーズ以外のキートップの取り付け方法も「パナソニックパソコンサポート」で紹介されています。

HPは、キートップが取れた場合の対処法を公式サイトで確認できません。ただし、キーボードの基本構造は他メーカーと同じなので、紹介している他メーカーの対処法を試してみてください。

また、HPは外れたキートップだけの交換・修理は行なっていません。キーボードの交換になりますので、気をつけましょう。

dynabookで有名な東芝は、キートップが取れた場合の対処法は確認できません。しかし、部品が破損していなければ、他メーカーと同じ方法で直せます。パンタグラフを傷付けないようキーボード本体の爪に引っ掛け、パチッとはめ込めば完了です。また、機種によっては部品交換できないものもありますので気をつけましょう。

NECは、キートップが取れた場合の対処法は確認できません。しかし、特殊な構造のキーボードでなければ、キートップやパンタグラフの仕組みは他メーカーと大きな差はありません。これまでに紹介した他メーカーの対処法を試してみてください。

キーボードが取れた際の応急処置として、ホームセンターなどで購入できるクッションスポンジ付き両面テープを使って固定させる方法があります。粘着力がそれほど強くなく、厚みのある柔らかいスポンジがおすすめです。

【両面テープを利用した応急処置方法】

1. 厚さ3mm程度のクッションスポンジのついた両面テープをキーの大きさより少し小さめに切る
2. 穴あけパンチなどを使い中央に穴を開ける。ここで必ず高さを確認してください。
3. 裏紙を剥がしてキーを貼り付ける

取れたキーと同じ形で、使用頻度が低い・戻さなくても支障がない別のキーを引き抜き代用する方法もあります。ただし、同じキーボードでも、爪の配置パターンはいくつかあるので別のものを使用しないよう気をつけましょう。

別のキーを引き抜いたがセットできず、引き抜いたキーも戻せなくなった場合、自己責任となるので慎重に試してください。

エンターキーが故障した際の代用方法を紹介します。

• 「CTRL+M」同時押しのショートカットキーを使う
• IMEを開きソフトキーボードを使う
• スクーリンキーボードを使う
• キーボードの割り当てを変更し、普段使わないキーをエンターキーに設定する

キーボードの固定に接着剤を使用する方もおられます。しかし、接着剤がキーボードの内部に流れ込んでしまうとキーが動かなくなるなど、高リスクのため推奨しません。

修理や交換までの期間の応急処置として接着剤を使用する方法は避けたほうが無難です。キーを一時的に接着したい場合は、液体性のものではなく、クッションスポンジのついたテープを活用しましょう。

外付けキーボードを接続して使う方法もおすすめです。安いものであれば3,000円前後で買える製品もあります。

下記の記事では、キーボードを選ぶ際のポイント・おすすめのキーボードを紹介をしていますので、ぜひチェックしてください。

キーボードカバーを用いて破損防止の対策をするのもおすすめです。キーボードカバーのメリットは、キーの隙間に入り込むゴミを防ぎ、キーボードの故障リスクが軽減できます。

また、防滴カバーとしても機能し、お手入れも簡単です。さらにキーボードカバーを装着すると、キーの文字の擦れや消えを防ぎ、静音効果も期待できます。ただし、打鍵感が変わるため、薄型のものを選ぶのがおすすめです。

キートップ・パンタグラフがどのように取り付けられているのか分かれば、力を入れる方向や力加減が分かるのですぐに直せます。ただし、破損しやすい部品もあるので、キーが完全に取れていない時も扱い方に気をつけ、慎重に作業しましょう。