マザーボードの適正温度は？｜チップセット温度や温度センサーについても

普段パソコンを使っているとき、マザーボードの温度は何℃くらいがベストなのか気になりませんか。マザーボードの温度管理は、パソコンを正常に稼働させるためにとても重要なポイントです。

マザーボードの温度が高くなり過ぎると、エラーの発生や突然のシャットダウンなどさまざまなトラブルに発展する恐れがあり、注意が必要です。そのため、マザーボードの温度を確認したり適度に温度を下げたりする必要があります。

そこでこの記事では、マザーボードの適正温度・高温になるとどのような症状が現れるのか・温度の下げ方について解説します。パソコンの予期せぬ故障や熱暴走を防ぐためにも、ぜひ参考にしてください。

マザーボードの適正温度は60度前後です。マザーボードそのものは熱を発しにくい部品ですが、マザーボードに接続されているグラフィックボードやCPUなどの温度が上がるとマザーボードの温度も上がります。

そのため、実際の使用時にはマザーボードの温度はさらに5～10度ほど上昇すると考えられます。特に記載されていない場合は60度以下であれば大きな問題はありません。60度を超える場合は、エアフローが不足している可能性があるため、冷却ファンを増設するのがおすすめです。

マザーボードは100度近くまでは耐えられる設計になっていますが、実際に100度近くまで温度が上がると非常に危険です。しかし、グラフィックボードやCPUの温度が100度を超えたとしても、マザーボードまで100度になるのはまずありません。

また、万が一マザーボードが100度になったとしても、パソコンが危険だと判断し自動的にシャットダウンするようプログラムされています。シャットダウンしない場合は故障している可能性があります。高温になった場合は、マザーボードの温度を適正温度の60度より下げるように冷却させましょう。

マザーボード内部にホコリが溜まると、効率よく排気できなくなるため、熱がこもってしまいます。排気部分がいつもより熱くなったり、ファンの音が以前よりうるさくなったら内部にホコリが溜まっている可能性があり故障の前兆かもしれません。

長く使用するなら、できるだけホコリがかぶらないように保管しましょう。布をかぶせたり、ケースに入れたりして保管するのがいいでしょう。

マザーボードの温度が上がる原因は、上記で述べたように発熱する部品による影響が大きいです。ほかにも、マザーボードの温度は室内の温度にも大きく左右されます。室温が高ければマザーボードの温度も上がりやすくなり、温度を下げにくくなる場合も。

一方で、マザーボードやパソコンは室温が低ければ故障しにくいと思われがちですが、実は温度が低すぎても動作に影響を及ぼす可能性があります。あまりに温度が低いと起動時にマザーボードへ過剰な負荷をかけてしまう場合も。また、10～60度などの急激な温度変化を繰り返すと不具合を起こす恐れがあるので注意が必要です。

マザーボードが高温になるとCPUが熱暴走を起こし、一時的に正常な処理を行えなくなりパソコンが勝手に再起動してしまう場合があります。また、再起動後そのまま使用できる場合もありますが、CPUが熱いままだとさらに再起動を繰り返す場合も。

そのまま放置すると故障の原因となり、最悪の場合パソコンが高熱に耐え切れず発火する危険があります。パソコンが勝手に再起動する状態になったら、一度電源を落とし自然冷却しましょう。

マザーボードによって熱暴走が起きるとパソコンが勝手に再起動するだけでなく、突然電源が切れてしまう場合もあります。高熱によってCPUや電源ユニットが稼働できなくなり、動作を停止するとパソコンの電源が落ちてしまうようです。

突然電源が落ちると電源を入れ直しても起動しない場合があります。しかし、勝手に再起動する場合と同様に、一度パソコンの電源を落とし自然冷却をすると正常な動作が可能です。

熱暴走によって発生した過負荷にパソコンが耐え切れず、エラーが頻繁に起こる状態になる場合があります。はじめは単なる熱暴走だったとしても、HDDへ書き込んでいる途中でエラーが発生し故障の原因につながる場合も。

エラーが起きると画面がフリーズしたり、マウスやキーボードが操作できなくなったりします。エラーメッセージが何度も表示されるようであれば、業者への修理も検討しましょう。

パソコン内の空気の流れを良くすると、熱がこもりにくくなります。具体的な方法は以下の通りです。

• パソコン本体の周囲は、5～10cm以上の間隔を空ける
• パソコン内に溜まったホコリを掃除する
• 夏場はエアコンを入れ室温を下げる
• ノートパソコンは冷却パッドや専用クーラーを使い、クールダウンさせる

扇風機をパソコンにあてて冷却させる方法もありますが、ホコリが舞ったりゴミが内部に入り込んだりする可能性があるので暑い時期はなるべくエアコンを使いましょう。

Windowsには、重い画像処理を行う「Windows Aero」などの機能が標準搭載されています。この機能を設定し、常駐アプリケーションを停止または無効化にするとパソコンの負荷を下げられます。

また、容量の大きなファイルを収納しているとCドライブの容量を圧迫し、パソコンの速度に影響を及ぼします。パソコンの負荷を軽くするにはフォルダごと別のドライブへ移動させ、空き容量を作りましょう。

冷却機能の高いファンやヒートシンクが搭載されたパーツを選べば、マザーボードの温度を下げられます。ヒートシンクには放熱や吸熱を促す効果があり、パソコン内で邪魔にならないコンパクトタイプもあります。

パソコンで大きな発熱源となるのが、グラフィックボードです。高性能のグラフィックボードは高熱になりやすいですが、熱対策としてグラフィックボード自体にファンが付いているタイプも多いのでうまく活用しましょう。

フリーソフトの「HWMonitor」を使えば、パソコンの各パーツの温度・電圧・ファンの回転数などを計測して表示させるのが可能です。HWMonitorを起動すると「Value(現在地)」「Min(最小値)」「Max(最大値)」が並び、その下に計測された数字が表示されます。

ただし、HWMonitorに対応していないパーツがあると異常値が表示されてしまう場合も。異常値なのか実際に高温なのかを確かめる方法は、パソコン起動直後の時とゲームなどのアプリを起動した時の数値の比較です。起動直後から高温になっていれば異常値である可能性が高くなります。

ソフトのほかにも、BIOS（ハードウェアを制御するプログラム）を使いマザーボードの温度を確認できます。BIOSを開くためのキーはメーカーごとに異なりますが、F2やF10などで呼び出し可能です。

「PC Health」や「Status」など、それぞれのプログラムに該当しているハードウェアモニターを探し、温度を確認します。BIOSメニューでは、パソコン内のさまざまなシステム設定の変更も可能です。そのため、温度を確認する際に誤って余計な操作をしないよう十分注意しましょう。

気になる温度センサーの位置ですが、実際は機種によって異なるため具体的に明示するのは難しいです。ただし、CPUソケット周辺は温度が高くなりやすいため、多くの場合はCPUソケットから離れた拡張スロット部分に温度センサーが搭載されています。また、中には最初から温度センサーがついていないものもあります。

ASUSのマザーボードには、温度センサーを追加するための端子を搭載した機種があります。通常のマザーボードではセンサーの位置が固定されていますが、追加できる機種であれば自由な設置が可能です。

ただし、センサーを追加できるものは高価な上取りつけには手間もかかります。それでも1度設定できれば細かな自動制御を行えるため、温度管理をより安定させたい方におすすめです。

パソコン内の温度を調べてみると、マザーボードの温度が120度を超えてしまうケースがあります。この原因は、まずソフトが対応していないために誤作動を起こしている場合が考えられます。また、パソコンで特に不具合が出ていないのならCPU温度をチェックしましょう。

マザーボードが120度を超えていても、CPU温度が正常(40～80度)であれば特に問題はありません。

マザーボードやパソコンは熱に弱く、普通に使っているだけでも熱くなりやすいです。しかし、適正温度であれば問題ないためある程度の熱さは正常だと覚えておきましょう。マザーボードは決して安くはないので、適正温度を保ちながら長持ちさせてください。