ノートパソコンが熱い原因と対策｜保冷剤を使って冷やす方法はアリ？

ノートパソコン(ノートPC)が熱いと感じたら、放置せずに対処しましょう。ノートパソコンが熱を持ったまま放置すると、電源が入らない・動作が遅いなどの不具合や故障の原因になる場合もあります。ただし、ノートパソコンが熱を持つ原因はさまざまで、原因に応じて対策も異なります。

原因を知ったうえできちんと対策すると今後も熱を持つ可能性が下がり、その分ノートパソコンの寿命も伸びるので、日頃のメンテナンスは大切です。この記事では、ノートパソコンが熱くなる原因や熱対策について解説します。

また、おすすめの冷却グッズ9選の紹介や保冷剤を使って冷やす方法の安全性についても解説します。ノートパソコンが熱くなって悩んでいる方や熱対策をしていない方は、ぜひ参考にしてください。

熱くなったノートパソコンを放置すると、熱暴走を起こす可能性があります。熱暴走は熱による不具合です。本体の熱が一定以上に達するとCPUが熱によるダメージを避けるために、動作を停止することで起きる現象です。

症状として電源が急に落ちる・画面がフリーズします。症状が起こる前に、ファンの音がうるさいと感じる場合があります。音がうるさくなるのは排熱効率が下がり、ファンがより回転数を増やすためです。放置すると熱暴走につながるので、必ず対策しましょう。

そもそも家電製品の電気の力で動くものは、機器の内部で電子同士がこすれあい「摩擦熱」を発生させています。パソコン内部でも大量の電子が動き回っており、摩擦熱は本体が熱くなる原因の1つです。

特にノートパソコンは搭載されているパーツが多く、内部に熱がこもりやすい構造です。ノートパソコン内部にホコリが溜まると空気の通りが悪くなり、より熱を持ちやすくなります。

ノートパソコンを長時間使用していると、CPUやバッテリーなどの部品が熱を持ち、パソコン本体が発熱します。発熱するとノートパソコンが熱暴走を起こし、パフォーマンスの低下にも繋がります。

特にCPUはゲームや動画編集などをしていると、負荷が重くなってパソコンが発熱を起こしやすいです。発熱しにくくするための対策として、使っていないソフトは閉じておくと、CPUへの負担が軽くなって動作もスムーズになります。

ノートパソコン内部には冷却装置の冷却ファンがあり、冷却ファンはノートパソコン本体内部の熱を排出し、内部を冷やす役割があります。ファンが付いているのにノートパソコンの温度が上がる場合は、ファンが正常に動作していない可能性があります。

ノートパソコン内部にホコリが溜まっているのも本体が熱くなる原因です。内部にホコリが溜まると空気の流れが悪くなり、排熱がスムーズにできません。定期的にノートパソコンの内部やパソコン周りを掃除してホコリが溜まらないようにしましょう。

室温が高くなるとノートパソコンの温度も上がります。特に夏は気温が高く、ノートパソコンも熱を持ちやすくなるため、気温の高い夏場にパソコンの電源を入れようとしても、電源がつかない・起動しないなどの不具合が起きる場合があります。

ノートパソコンの内部は40℃を超えると本体に異常が出やすく、ノートパソコン内の温度は室温+7～10℃といわれているため、室温が30℃を超えると危険です。暑い日はエアコンなどを使用し、部屋の温度に気を付けましょう。

ノートパソコン内部は月1回ほど定期的に掃除するのが理想です。定期的に掃除をすればほこりが溜まらず、放熱の効率も上がります。内部の掃除は通風孔から掃除機でほこりを吸い出す・ダストキャッチャーを定期的にキレイにするなどを行ってください。

機種ごとにお手入れ方法が違うので、取扱説明書で確認してから掃除しましょう。

設置場所を変えるのも有効です。ノートパソコンは本体の裏面から放熱する仕組みで、同じ場所に置き続けると放熱がうまくできない場合があります。固くて平らな場所に置くと放熱されやすいのでおすすめです。反対に、布団やカーペットの上は熱が逃げにくいので置かないようにしてください。

ノートパソコンを節電モードにするのも有効です。節電モードは利用していない機能を停止したり、モニターの明るさを調整したりして消費電力を抑える機能で発熱抑制効果もあります。また、不要なアプリやウインドウを閉じるだけでも効果があります。

ノートパソコンスタンドを使うのもおすすめです。ノートパソコンスタンドを設置すれば机から本体を離せて、排熱がスムーズになって温度が上がりにくくなります。また、パソコン使用時の姿勢が良くなり体の負担も減らせるため、長時間作業する方におすすめです。

ノートパソコンスタンドに抵抗があるなら、すのこを使ってパソコン台を自作するのもおすすめです。すのこは通気性が抜群なので、すのこの上にノートパソコンを置くだけでも効果があります。すのこはノートパソコンと同じようなサイズのものも販売されているので、チェックしてください。

室温を下げるのも効果的です。前述の通り、パソコンは内部が40℃を超えると本体に異常が出やすくなります。パソコン内部の適正温度は30℃前後といわれており、内部温度は室温+7～10℃くらいなので、室温は23℃前後が目安です。エアコンを使用して室温が上がりすぎないように調整しましょう。

ノートパソコンの冷却に保冷剤を使うのはNGです。ノートパソコンを急激に冷やすと温度差で内部に結露が発生する場合があり、内部部品に結露が付着すると電気回路がショートしてノートパソコンが故障する原因につながります。

そもそも、保冷剤を使っても外側が冷えるだけで内部には効果がないといわれています。これまでにご紹介した方法で冷やしていくのがおすすめです。

ノートパソコンだけではなく、ACアダプターが熱くなってしまう場合もあります。ACアダプターが熱くなるのは、一定の適切な電圧をパソコンに送るときの降圧・変換に負荷がかかるのが原因です。

ACアダプターを陽の当たる場所に置いたり、布で覆っていたりすると熱がこもってしまいます。その対策として、ACアダプターはできるだけ熱のこもらない場所に配置しましょう。

100均のセリアで販売されている放熱スタンドも熱対策で活躍します。半球状2個のスタンドをノートパソコン底面の奥側両サイドの下に敷くと、ノートパソコンの下に隙間ができて放熱効果が上がります。使わないときは2個を合わせてボール型にでき、収納もしやすい優れものです。

また、ドアストッパーも代用品として使えます。ドアストッパーを下に敷くと隙間ができ、高さが出すぎず使いやすいです。お家にドアストッパーがある方は一度試してみましょう。

ノートパソコンが熱くなる原因はさまざまですが、ノートパソコンの掃除や設置環境を工夫すれば防げます。熱を持ち続けると故障や不具合の原因になるので、ノートパソコンを長く使い続けるためにも日頃から対策しましょう。