USBデバイス無線化サーバおすすめ4選｜USB機器を簡単にワイヤレス化

パソコンのUSBポートは無限ではありません。マウスとUSBメモリを1つ挿したらもう空きがないなんてこともありがちで、USBハブを使用すれば多くのUSB機器を1台のサーバで使えますが、外部機器をたくさん使う場合いちいち挿しかえるのは面倒です。そんな時に用いたいのがUSBデバイスサーバです。

USBデバイスサーバはUSB接続対応の外部デバイスをLAN経由で接続できるため、USBメモリなどのドングルを挿しかえる必要がありません。また、ワイヤレス化 により、USBを挿しかえずに無線で飛ばすことができるため、USBポートを持たないタブレットPCなどの拡張性の低いパソコンにもおすすめです。

今回は、 無線化 したUSBデバイスサーバのメリットやデメリットに加えて、USBデバイスサーバの選び方やおすすめ商品をご紹介します。USBサーバを選ぶ際は、ぜひこの記事を参考にしてください。

USBデバイスサーバとは、無線LANを通じて複数のUSBデバイスをパソコンやスマートフォンと接続できる機器のことです。複数台のパソコンで、同一のキーボード・マウス・プリンターなどを接続することが可能になります。

もちろん逆も可能で、1台のパソコンに複数台のUSB接続機器を無線接続できます。代表的な例として、USB接続の外部ストレージやプリンターをUSBサーバでまとめ、無線LANで使用することも可能です。

USBデバイスサーバを用いると、さまざまなUSB機器のレイアウトが可能になります。機器の切り替えにUSBポートからの物理的な取り外しが必要なくなります。USBデバイスサーバごとに使用するUSBデバイスをレイアウトすれば、ネットワークを切り替えるだけで機器を使用することも可能です。

加えて、PCのUSBポートの数に制限されることもありません。無線LANで接続するUSBデバイスサーバを追加すれば、使用できるUSBポートの数はいくらでも増加させることが可能です。

USB接続を行う際は、USBケーブルの長さに限りがあります。USBケーブルは最大でも5mの長さなので、5m以上の距離がある場合はケーブル接続が不可能です。そんなときでも、USBデバイスサーバを使えば離れた場所でも接続が可能になります。

このように、ケーブルの長さが原因で設置できなかった機器を設置できるようになるのがUSBデバイスサーバのメリットです。従来難しかったデバイスのレイアウトの自由度が高まり、好きな場所に機器を設置できます。

USBデバイスサーバは無線LANで機器同士を接続するため、操作する側の機器にUSBデバイスが必ずしも必要ではありません。スマートフォンやタブレットから無線LANであるWi-Fiを通じて、プリンターやUSB外部ストレージなどを操作・接続できます。

USBポートを持たないデバイスからUSBデバイスに接続できるメリットは大きいです。USBデバイスサーバを通じてどのデバイスからもストレージにアクセスし、動画やKindleデータなどをダウンロードすることも可能です。

情報の転送が手軽にできるメリットをは、USBデバイスサーバを使えば、パソコンとUSB機器を1対1で接続しなくていいことです。そのたびに接続する手間が省けるため、時間を効率的に使用できるだけでなく、USB自体に蓄積するダメージを防ぎます。

USBデバイスサーバを使えば、以下のようなコスト面でのメリットがあります。

• 1つのUSB機器を複数ユーザーで共有できるため、機器を複数台購入する必要がない
• ネットワーク非対応のUSB機器をネットワーク対応にできるため、わざわざネットワーク対応機器を揃えずに既存の機器を活用できる
• 無線LANを構築する事で、有線LANなど配線にかかる必要を削れる

使う人が増えれば増えるほど、コスト面でのメリットは大きいです。

一方で、USBデバイスサーバにもデメリットは存在します。無線機器は基本的にタスクバーに常駐して動作するため、OSにログインするまで使用できません。USBデバイスサーバでマウスやキーボードを接続して場合、BIOSの操作などは不可能です。

BIOS操作が必要なケースでは、キーボードを直接パソコン本体のUSBポートに接続して操作してください。USBデバイスサーバだけに限らず、Bluetoothや無線接続のキーボードやマウス全般にこのデメリットは当てはまります。

USBデバイスサーバは動画や長時間の映像など、大容量のデータ通信にはあまり向きません。無線LANを経由しているため、どうしても通信速度は直接USBポートに接続するより遅くなります。

実際に無線LANの通信速度は、現在もっともメジャーなIEEE802.11nが600Mbpsです。しかしUSB3.0の通信速度は5Gbpsです。大容量のデータをコピーするなどの場合は直接、本体のUSBポートに接続しましょう。

USBデバイスサーバは無線LANを通じて、デバイスと接続しています。したがって無線LANへの負荷が重くなると、接続しているマウスやキーボードの動作も反応が悪くなります。USBストレージから大容量のデータをダウンロードしている場合など、顕著に反応が鈍くなります。

有線LAN経由なら影響は少ないですが、無線LANの場合は通信速度によるデメリットを承知しておきましょう。

USBデバイスサーバの多くの製品は、USBポートを1つないし2つ搭載しています。またパソコンとの有線LAN接続に対応するため、LANポートを搭載している製品が一般的です。多くのUSB接続デバイスを使用する予定なら、USBデバイスサーバに加えてUSBハブも一緒に購入することをおすすめします。

USBの規格には2.0と3.0があります。USB2.0は480Mbps、USB3.0は5Gbpsとデータ通信速度が10倍以上異なります。加えて無線LANで使用する場合は、無線LAN規格がUSB3.0の速度を活かせる必要があります。

USB3.0のUSBデバイスサーバを選択するなら、無線LAN環境もIEEE802.11ac以上が必要です。プリンターやマウスであればUSB2.0で問題ありませんが、ストレージなどで大容量データを扱う場合はUSB3.0をおすすめします。

ソフト付きUSBデバイス無線化サーバーはネットに詳しくない方にもおすすめです。USBデバイスサーバを切り替える設定は、専用ソフトウェアを使用します。製品によっても異なりますが、ソフトウェアの作りがよくないと動作・起動しないこともあるようです。口コミなどでチェックして、問題のなさそうな製品を選ぶようにしましょう。

USBデバイスサーバはサイレックス（silex）やアイ・オー・データ（IO DATA）など機器に強いメーカーから販売されています。かつては、バッファロー（BUFFALO）からも、商品が発売されていましたが現在は販売終了しています。ただし、中古での販売している場合があるため、気になる方は調べてみましょう。

USBデバイスサーバーは自作可能です。Raspberry piを使う・古いパソコンを使うなど方法はいくつかありますが、非常に高度な専門知識が必要になります。知識のある方はネットで検索すれば自作方法はでてきますが、セットアップ方法はコマンドなどの知識がないと難しいため初めての方にはおすすめできません。

USBデバイスサーバにWebカメラを接続することは可能でしょうか？結論から言うと、やや難しいでしょう。Webカメラはデータ転送量が多く、加えてビデオ会議などに使用する場合は通信速度の安定性が必要だからです。

無線LAN接続を増やせば増やすほど、ボトルネックになる可能性のある接続が増えることになります。安定性を確保したいなら、有線接続がおすすめです。

USBデバイスサーバは工夫次第によって、配線をすっきりさせた環境を構築できます。無線LAN非対応のプリンターなどがある場合、とても役立つアイテムです。USBデバイスサーバを使用して、より快適なネットワーク環境を完成させてください。