PC用曲面ディスプレイおすすめ10選｜メリット・デメリット・選び方を解説

従来、PC用ディスプレイといえば平面型がスタンダードでしたが、近年では曲面型も多くなっています。曲面ディスプレイはゲーム中の没入感を高めるだけでなく、事務作業の効率アップにも役立つ優れものです。

ただし、PC用曲面ディスプレイを選ぶには正しい知識が欠かせません。たとえば用途に対してアスペクト比・パネル方式などがミスマッチの場合、思ったような視覚効果や作業効率を得られない場合もあります。

以上を踏まえ、本記事ではPC用曲面ディスプレイの選び方・おすすめ商品10選を紹介します。曲面型のメリット・デメリットについても解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

実際のレビューによると「ゲームや映画への没入感が高い」「複数ページを開いていても見やすく、作業効率がアップした」と高評価の曲面ディスプレイ。ゲームや動画視聴が主な用途なら曲面のデメリットはほぼ無く、むしろメリットが大きいです。

平面ディスプレイからの買い替えであれば最初は戸惑いそうですが「慣れると気にならない」「むしろ平面に違和感」と普通のディスプレイに戻れないユーザーが多数です。曲面が目の動きを最小限に抑え、疲れ目による肩こり・頭痛が軽減したとの報告も。

ただし直線が歪んで見えるため、フォトショップやCADなどのグラフィック関係・図面を見る仕事には不向きとする声もあります。作業の精密さにもよりますが、曲面の歪みが不安な方は避けるのがベターです。

曲面ディスプレイはワイドモニターとの親和性がバツグン。ワイドモニターの場合、平面と比較して曲面ディスプレイのほうが映像への没入感、見やすさ共にいいとされます。ゲームでも少ない視点移動で敵を見つけられるので、曲面ディスプレイのほうがメリットが大きいです。

モニターの種類によっては平面だとかなり見づらいのがワイドモニター。真ん中と端で視点距離が大きく変わるので、平面ワイドモニターは目が疲れやすくなります。また、パネルがTN方式だと端の色調が変化します。これはTNパネルの視野角が狭いためです。

この点、曲面ディスプレイなら視野角をカバーしてくれるのでTNのメリットだけを生かせます。TNパネルのメリットは反応速度の速さとコスパの良さ。ワイド曲面+TNパネルならゲーミングモニターにもってこいのディスプレイになりますよ。

曲面ディスプレイを選ぶときはアスペクト比に注目しましょう。アスペクト比とはモニターの横縦比のことで、たとえば地デジ対応TVは16:9のワイドモニターが主流です。曲面ディスプレイのアスペクト比は大きく以下の3つに分かれます。

• ワイドモニター(16:9)
• ウルトラワイドモニター(21:9)
• スーパーウルトラワイドモニター(32:9)

このうちスーパーワイドウルトラモニターは種類が少ないのが現状です。選択肢としてはワイドモニターかウルトラワイドモニターになります。どちらもメリットがあるので、用途に合わせて選びましょう。

より効果を感じられるのは21:9のウルトラワイドモニター。ワイドモニターよりも約133％横長で、曲面ディスプレイならではの臨場感を楽しめます。ウルトラワイドモニターは平面では見づらいため、曲面ディスプレイを選ぶのがおすすめです。

同じ縦幅のウルトラワイドモニターと比べてコンパクトなのが16:9のワイドモニター。広い設置スペースをとれない方に向いていますよ。

ゲームをするうえで重要なのがリフレッシュレート。リフレッシュレートはディスプレイの性能のひとつで、1秒あたり何枚の画像を入れ替えられるかを示します。たとえば「60Hz＝1秒で60枚の画像を入れ替えられる」ということです。作業用PCなら60Hzあれば十分です。

ゲームを快適かつコスパよく楽しむなら144Hzがおすすめ。一般的なディスプレイが60Hzなので、およそ2倍のなめらかさです。最高のヌルヌル感を求めるなら240Hzがいいでしょう。ただしディスプレイ自体高価なうえ、高性能なグラフィックボードが必要になります。

リフレッシュレートと似た言葉にフレームレート(FPS)があります。FPSも1秒あたりに入れ替わる画像数を示しますが、こちらはゲームやPC側の性能のことです。高FPSのPCでもディスプレイが60Hzの低リフレッシュレートだとカクついた映像になってしまいます。

グレアは光沢のある画面、ノングレアは光沢のないマットな画面ですが、どちらにもメリットとデメリットがあります。

発色は光沢液晶の方がいいでしょう。黒が引き締まって見えるので、コントラストの効いた鮮やかな美しさを表現します。ただし蛍光灯や外光が映り込みやすいので、明るい場所での視聴にはあまりおすすめしません。照明を落とした室内で高画質映像を楽しむならグレアがおすすめです。

ノングレアは画面が白っぽく見え、グレアに比べると鮮やかさに欠けます。その反面映り込みが少なく、目が疲れにくいのがメリット。「長時間の作業には極力目に優しい環境を」と考えるエンジニアにはノングレアがおすすめ。比較的キズに強いという特徴もあります。

ワイドモニターは画面の情報量が多いので、ある程度の解像度がないと見づらくなってしまいます。16:9ワイドなら、最低でもフルHD 1920×1080は欲しいところ。中位の2560×1440なら作業領域が広がり、4Kほど負荷がかからずいいとこ取りができます。

上位モデルの4K 3840×2160はインチ数の大きいディスプレイ向けです。ただしディスプレイの性能だけ良くても、PCのスペックやゲーム・動画などのコンテンツが高解像度に追いついていないと効果がないので注意が必要です。

21:9ウルトラワイドでコスパを抑えるなら、フルHD相当の2560×1080がおすすめです。さらに3440×1440、3840×1600、4Kクラスの3840×2160…と性能が上がりますが、その分インチ数の大きい製品が多いので広い設置スペースが必要です。

モニターサイズはデスクの広さと相談して決めましょう。21:9モニターの場合、横幅約70㎝で最小の29インチ、約90㎝で主流の34インチを設置できます。曲面ディスプレイは前後に場所を取るため、横幅だけでなく奥行のスペースも計測しておくのがベターです。

設置スペースだけでなく、解像度とも相談が必要です。4Kなど高解像度になると文字が小さく見えなくなってしまうので、ある程度大きなサイズを選びましょう。作業領域を広げて作業したいなら32～34インチ前後がバランス良くおすすめです。

16:9モニターは比較的コンパクトなモデルが多いですが、ゲーム用途なら全体を見渡せる24～27インチがベスト。4Kのなめらかな画像でゲームを楽しむ場合は27インチ以上をチョイスしましょう。設置スペースをそこまで広くとれない方にも向いています。

液晶はパネルの種類によってTN・IPS・VA方式に分かれます。TNは応答速度が速くてゲーム向け。コスパの良さもメリットです。視野角が狭いのが難点ですが、曲面ディスプレイなら視野角を気にする必要がありません。

IPSは視野角が広くて色がきれいというメリットがあります。反応速度は遅いため、ゲームよりも発色の正確性を重視する作業向けです。たとえばイラストや動画編集などクリエイティブな作業に最適です。TNと比べるとコストがかかるのがデメリットです。

VAは両者のメリットを持っているパネルで、とくに高コントラストな映像表現が得意。美しい風景を鮮やかに映し出してくれるので、映画・動画の視聴におすすめです。

曲面ディスプレイ選びで肝心なのが映像出力端子です。あらかじめPC側の端子を確認するのはもちろん、端子の種類によって解像度やリフレッシュレートに制限がかかるというのも押さえておきたいポイントです。

デジタルの出力端子にはDVI・HDMI・DisplayPort・USB Type-Cがありますが、現在流通している曲面ディスプレイで多く採用されているのはHDMIまたはDisplayPortです。ちなみにDisplayPortのほうが性能は上です。

たとえば4Kや240Hzリフレッシュレートモニターであれば、実質DisplayPortが必須になります。出力したい映像によっては特定のケーブルを使わなければならないことにも注意しましょう。PC端子が対応していない場合は、変換アダプタという手段もあります。

製品モデルによって搭載されている機能は、用途にあわせて選びましょう。たとえば映画視聴ならHDR搭載モデルがおすすめ。黒つぶれや白飛びを抑え、より鮮明で美しい映像を実現します。高度なサウンドを内蔵したモデルなら余分なコストを抑えられますね。

仕事用ならサブ画面をワイプのように表示できる「ピクチャー・イン・ピクチャー」、PCとスマホなど複数のデバイス入力が可能な「ピクチャー・バイ・ピクチャー」があると効率アップにつながります。目の疲れを軽減する「ブルーライトカット」もおすすめです。

ゲーミングモニターならFPSやレーシングに最適なゲームモード搭載モデルを選びましょう。さらにフレームレートとリフレッシュレートの誤差によるカクつきを防ぐ「G-SYNC」「FreeSync」があると、ゲーム中のイライラを抑えられますよ。

多くのゲームプレイヤーが「買ってよかった！」と口をそろえる曲面ディスプレイ。単に没入感だけでなく、長時間プレイによる目や肩の疲労軽減にも役立ちます。ゲーム・映画はもちろん動画編集やテレワークの効率アップにもおすすめです。